『怖がり』
褒めてもらうと嬉しくなる《怖くなる》
仲良くなると楽しくなる《逃げたくなる》
優しくされると愛おしくなる《死にたくなる》
自分みたいな人間が
それを受け取るべきでは無い
自分みたいな人間は
他人に近寄るべきでは無い
寂しく思う?
気持ち悪い
辛いと思う?
烏滸がましい
自分に対して嫌悪する
秘密主義者の小心者で
プライド高い怖がりだ
『安らかな瞳』
散歩の途中に死体を見つけた。
紛うことなく人の死体だ。
今日は朝から天気が良くて、気分転換に散歩へと出掛けたのだ。
普段は散歩なんてしない、だからこそ気分転換になるだろうと思っていたのだが……。
そんな気紛れの結果が死体の第一発見者とは、慣れないことはするものではないな。
時は真昼、人通りは少ないものの陽の光が良く当たる、見晴らしのよい公園での出来事だ。
死体が階段の下に倒れているところから見て、運悪く足を踏み外しでもしたのだろう。
頭からは血が流れており、見開いた瞼から覗く瞳は既に光を失っていた。
死体を目の前にしても不思議と恐怖は感じない。
それどころか、その姿こそが自然な様にも見えてしまい、どこか座りが悪く感じる。
当たり前だが既に警察には連絡した、数分もすれば救急車と共にここへ辿り着くことだろう。
その数分間、私はここで死体と共に待つことになるのだが……。
死体の顔を覗き込む。
瞳孔が開ききったその目からは、何の感情も感じることが出来なかった。
『平穏な日常』 110
「なんで自殺なんてしようとしたんだ……っ!」
「……そうだね。
なんて言えばいいんだろう、強いて言えば"生きていたら駄目だと思った"……とかかなぁ」
「何だよそれ……もっと生きてくれよっ!
今までそんな素振りなんて無かったじゃないか、頼むよ!
そんなに俺達は頼りないのかっ?!」
「あぁ、そういうのじゃ無いんだ。
君達のことは大好きだし、とても良い人達だなぁと思ってるよ」
「じゃあ何だ?
何でも言ってくれ、出来ることなら何でもしてやるからっ!」
「じゃあ僕を殺してくれないかな?」
「……え?」
「でもきっと君達にはそんなこと出来ないし、それが正しいと思ってる。
だから自分で殺すしかないんだよ」
「な、何でそんな……」
「こんな事を考えたんだ、"人類の未来には希望なんて無い"って。
人が本当に自殺してしまう時っていうのは、本能を塗り潰すぐらいの激情に駆られた時か、その逆で感情そのものが希薄になってしまった時だよね」
「…………」
「僕達は死ぬことに対して恐怖を覚えるだろ?
つまりどんな状況だろうと普通は生きようとする。
恐怖するのは死なないようにする為の感情だよ。
痛みを感じるのは生き残る為の感覚だよ。
お腹が減るのは生き続けるための機能だよ。
自分の意志に関わらず体は生きる為に働いていることからも、それは正しいだろうね」
「…………」
「理由までは分からないけど、生物の遺伝子には"生き残れ"という命令が既に刻み込まれているんだ。
数十億年の進化の過程で刻み込まれていったんだろうね。
だから生きたいと思うことは当然で、死にたいと思うことは本来の生物として異常なんだよ」
「……」
「そのうえで現在の世界での自殺者の割合が増え続けているのを考えた時に、僕達は近未来で滅亡してしまう運命なんじゃないかって。
そんな未来が近くまで迫っているんじゃ、僕達が生きていく為の希望なんて無いなって」
「……だから死のうとしたのか?
その考えに至ったお前は未来に絶望して、生きたいという感情も死ぬことに対しての恐怖も、どちらも感じとれなくなったから自殺なんてことを「それは違うよ」……!」
「そうじゃないんだ……逆なんだよ。
他人の事なんて何も知らないくせに。
世界の事なんて何も知らないくせに。
自分で行動を起こすことも無く、何かを変えようとする意識もないくせに、さも自分が賢い傍観者の様に振舞って決めつける愚者。
仕舞いにはその妄想のみで未来には希望がないなんて考える屑。
そのくせそいつ自身は平穏な日常を享受して現在を生きているんだ……!
……そんな奴がいたら、そいつは最も忌避すべき悪人だとは思わないかい?」
「……じゃあお前は」
「あぁ、そうだね。
僕が自殺しようとした要因は自分に対しての激情だよ。
僕が絶望したのは未来なんかじゃない……」
──自分自身なんだ。
『愛と平和』
愛と平和、LOVE&Peace!
良いですよね!何方も自分の大好きな言葉です!
全ての人が幸せになるというのは、物凄く難しい事だと思います。
というかほぼ不可能だと考えています。
あっちを立てればこっちが立たない。
こっちを立てればあっちが立たない。
それが幸せの特性みたいなものでしょうから。
しかし唯一可能性を感じられるのが、このLOVE&Peaceです!
愛と平和が正義であれば、全員のハッピーエンドも納得出来そうな気がしてくるんですよね!
…………気がするだけですが!
多分に主観が混じっていて、なおかつ何の根拠も無い勘のようなものです。
説得力の欠片のかの字もありません……!
それでも良ければ自分の考えを聞いてあげてください。
愛を抱けるというのは、主観的に言えば平和とも捉えることが出来ますよね?
愛を抱いたその時、その人は平和な時を過ごしている筈ですから。
つまり前提として自分の考えでは
(愛を抱いている=主観的な平和)
……というわけです。
もっと言うなら(平和=幸せ)ですね。
厳密に言えば違うのでしょうが、大体そんな感じで捉えているのです。
ここに何か希望を感じるのです……!
つまり世界中の人々が全員同時に何かに愛を抱くことが出来たのなら、その瞬間は全ての人間が平和であると捉える事も出来るのでは無いでしょうか!
……そんなの不可能だと思いますか?
しかし、しかしですね!
自分は愛というものを不確定なものとして考えているのです。
──を守りたいと願う。
──に触れていたいと思う。
──の事ばかり考えてしまう。
……だから自分は──を愛しているのだろう。
自分の中である程度の根拠があって初めて愛を抱く事が出来ますよね。
だとしたら過去か未来が無ければ、何かに愛を抱くというのは不可能だと思いませんか?
逆に言えば今現在、私達が抱いていると思っている愛は過去か未来由来のものだと考えられるという事です!
そして未来は誰にも分からない不確定なものですよね?
だから必然的に過去に起こった出来事も不確定なものになります。
つまり私達が真に信用出来るのは現在を感じている自分の意識だけだと思うわけです。
……ここで愛が登場します。
先に書き記した通り自分は愛を不確定なものと捉えています。
つまり私達が真に信用出来る現在の意識、別の言い方をするならば確定されている世界では、愛とそれによる平和は無いということです。
すなわち愛による全人類の平和があるとするならば、それは自分達が確定することの出来ない過去か未来に存在しているのではないか?
そして仮に存在していたとしても私達にはその全人類の平和を認知する事が出来ないのではないか?
実は既に全世界の人間の平和は達成されていたのかも知れませんし、この先の未来で達成されるのかもしれません。
どちらにせよ自分達には分からないのです。
これが自分の考えです!(ガバガバ)
これなら納得出来そうな出来なさそうなぐらいにはなれる気がしないこともないです。
こんな長文を書きましたが内容は結局
【✝︎自分が考えた最強の愛✝︎】
……みたいな稚拙なものですから、ツッコミどころは満載だと思います。
自分でも(何言ってるんだろう?)とか思いながら書きましたからね、仕方が無いですね!
そもそも頭の悪い自分が考えたところで理解なんて及ばないという、元も子も無いオチがあるわけですが……!
皆さんの暇つぶしぐらいにはなれたら幸いです。
それでは!
『お金より大事なもの』
この世の中は資本主義で構成されている
資本がなければ人権がない
人権がなければ余裕がない
余裕がなければ希望がない
希望がなければ死ぬしかない
「お金があれば死なずにすんだ人が一体どれだけ居たんでしょう?
そしてこの先どれだけ増えるんでしょう?
この悲劇を無くすために必要な事は何ですかね?
差別を無くす事でしょうか?
それとも戦争の反対?
もっと身近に不景気の解消だとか?
……あなたは何だと思いますか?」
「俺みたいなホームレスに聞くもんじゃないだろう。
そんなのどうでもいいから飯でも奢ってくれよ、一昨日から何も食ってないんだ」
「……なるほど、食糧危機ですか」