観測者

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5/31/2024, 9:10:17 AM

終わりなき旅

朝日にふと目を覚ました。濃霧が景色を包みこんでいる。なぜここにいるのだろうか。
横を見ると、青年がもそもそとお肉を口にしている。どこか浮かない顔をしているようだ。
青年が誰なのか知る由もないが、彼を見ていると未練の念が湧き上がってくる。それが何なのかは知らない。
しばらくして青年は立ち上がり、近くに落ちている骸骨を撫でた。それからこの場所を出発したが、後ろ髪を引かれている様子だった。
そんな彼を追いかけた。霧に飲みこまれてしまう前に。
こうして、透明な僕は旅に出た。

5/29/2024, 12:07:30 PM

「ごめんね」

おもちゃかさなくて、ごめんね。
たたいちゃって、ごめんね。
かってにクレヨンもってって、ごめんね。
あんなこと言っちゃって、ごめんね。
ウソついてべつの子とあそんで、ごめんね。
ヘンな子と仲よくしちゃって、ごめんね。
自分のせいでころばせちゃって、ごめんね。
好きな人を本人にバラしちゃって、ごめんね。
背伸びしたせいでめいわくかけて、ごめんね。
好きだからっていじわるしちゃって、ごめんね。
テストであの子に負けて、ごめんね。
勝手な行動して、ごめんね。
入試に落ちて、ごめんね。
学年1位取れなくて、ごめんね。
期待に応えられなくて、ごめんね。
失望させて、ごめんね。
こんなに手をかけてもらっているのに、ごめんね。
ご飯残しちゃってごめんね。
逃げようとしてごめんね。
泣いてごめんね。
入試に落ちてごめんね。
人生壊してごめんね。
逃げてごめんね。
ごめんね.

5/28/2024, 2:49:01 PM

半袖

今日も私はのそのそと起床。学校に行く用意しないとね。
まずはパジャマを脱ぎ捨てて、爽やかな夏服に袖を通す。
階段をパタパタ駆け下りてリビングに出たら、朝食を詰めこんで洗面所へ。
顔を洗って、歯を磨いて、髪をまとめて。
仕上げに真っ白な日焼け止めを満遍なく広げる。うん、バッチリ!
お昼の焼きそばパンをスクバに放りこんで、スマホを携えたら準備完了。
「行ってきまーす!」
鮮やかな空色をたたえる、すっかり夏の顔をした青空。
ジリジリジリジリ、シャアシャアシャアシャア……とけたたましく聞こえてくるセミの鳴き声。
額に汗を光らせて、今日も青春を謳歌する。

5/26/2024, 3:57:26 PM

月に願いを

夜の涼しさが身に沁みる季節、そよ風のなか月明かりに照らされる。
君もこの月を眺めているのかな。そうだったらいいのにね。
君はどこにいるのかな。雲に隠れてはいないかい?
月が僕らを繋いでくれる。会えない君を、少しだけ。
また会う日、君は僕を喜んでくれるのかな。
君は君、僕は僕。再びお互いの道が交わることは、きっとないだろう。
それでも、僕は君を恋焦がれる。また会いたいと月に願う。
月が滲み、スパークリングワインが喉を鳴らした。

5/25/2024, 12:45:46 PM

降り止まない雨

今日の運動会は雨天中止になった。
きっと予備日も雨だろう。
ここのところ雨ばかりで、運動場は一日も使えていない。
不幸は続くもので……この雨に呼応するように、同僚の神崎先生が体調を崩してしまっている。
太陽が出ている日にはいつも通り学校にきてくれるのだが、雨の日は顔面蒼白で、とても児童の前には出られない状態になっていた。初めてその姿を見た時、職員室一同ぎょっとしたのも記憶に新しい。
しかし、神秘的で暴力的な美貌を持つ彼女は、そのような姿になって尚美しかった。
その時から、雨の日に彼女を見かけたことは無い。
気がかりに思いつつも、6連勤を終えて帰路に着く私。
そういえば、校長先生が神崎先生のお見舞いに行くと言っていた。
終わったらすぐメッセージで報告すると言っていた。スマホをチェックするが、まだ通知はきていないようだ。
そこでふと顔を上げると、私は知らない場所に立っているようだった。
暗くて蒼い深海のような場所。戸惑うように立ち尽くしていると、眼前に光が差した。そこにいたのは――

キレイ。霄ォ菴薙?縺ゅi繧?k蝣エ謇?縺九i閻輔′逕溘∴縺ヲいてとてもおぞましく、逵溘▲證励〒蠎輔?遏・繧後↑縺?愍縺ィ蜿」閻に本能的な恐怖を感じる。青白い肌に映る美貌は、間違いなく神崎先生、いや、荳贋ス榊ュ伜惠豌エ縺ョ螂ウ逾。
豌エ縺ョ螂ウ逾は私に迫る。いやだ。こないで。作り替えられる!
「遘√→荳?邱偵↓縺ェ繧翫↑縺輔>。縺ゅ↑縺溘↓縺薙?莠区?繧堤オよ?縺輔○縺ヲ縺ゅ£繧」
蜷ク蜿しようとする手が伸びて、私を捕らえる。
「いやだ!いやだ!逋コ迢ゅ@縺ヲ縺励∪縺!!!」

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