4/20/2025, 10:14:28 AM
星明かり
都会の空にも星は光っているようだ。
しかし、輝きの弱い星は都会の眩しい灯りにかき消されてしまう。薄汚い紺色の空には、辛うじてオリオン座が見える程度だ。
都会にきらめく私も、そんな輝きの弱い星々のひとつでしかない。
12/7/2024, 1:17:17 PM
部屋の片隅で
早起きした日の午後はリビングの床に寝っ転がる。ぼーっとスマホを見て、生きているのか死んでいるのかよく分からない時間を過ごす。何の生産性もない素敵な時間だね。
12/2/2024, 11:55:04 AM
光と闇の狭間で
溢れんばかりの愛が君をそっと照らす。
灯りを差しだす私の裏はきっと見えない。
魔物が潜む私の裏は、常に灯りが覆い隠している。
渇いている私は魔物を駆逐できない。到底善人にはなれない器を持っている。
魔物はいつまで経っても闇になりきれない。到底悪人にはなれない根っこが張り巡らされている。
灯りが覆い隠す真実を、いつまでも照らされないように。
10/7/2024, 9:48:33 AM
過ぎた日を想う
あらゆる記憶はいつか何処かへ消えていくはずなのに、たったひとつの実体がそれを阻害する。夢幻の彼方へ消えていくはずだった過去の記憶は、たったひとつの空箱によって繋ぎ止められていた。
10/4/2024, 9:37:18 AM
巡り会えたら
桜舞い散る春に巡り会った、ある人がいた。
青葉がきらめく季節、雲に隠れてしまった。
行方知れずの彼を知る人はなく、はりぼての植物に水をやるばかりの日々。事の理由を知らされることも無く、唯再びの逢瀬を夢に見て季節を空費した。
そうして季節は過ぎ去り、知らぬ間に蝉の鳴き声も聞こえなくなっていった。