観測者

Open App
12/7/2024, 1:17:17 PM

部屋の片隅で

早起きした日の午後はリビングの床に寝っ転がる。ぼーっとスマホを見て、生きているのか死んでいるのかよく分からない時間を過ごす。何の生産性もない素敵な時間だね。

12/2/2024, 11:55:04 AM

光と闇の狭間で

溢れんばかりの愛が君をそっと照らす。
灯りを差しだす私の裏はきっと見えない。
魔物が潜む私の裏は、常に灯りが覆い隠している。
渇いている私は魔物を駆逐できない。到底善人にはなれない器を持っている。
魔物はいつまで経っても闇になりきれない。到底悪人にはなれない根っこが張り巡らされている。
灯りが覆い隠す真実を、いつまでも照らされないように。

10/7/2024, 9:48:33 AM

過ぎた日を想う

あらゆる記憶はいつか何処かへ消えていくはずなのに、たったひとつの実体がそれを阻害する。夢幻の彼方へ消えていくはずだった過去の記憶は、たったひとつの空箱によって繋ぎ止められていた。

10/4/2024, 9:37:18 AM

巡り会えたら

桜舞い散る春に巡り会った、ある人がいた。
青葉がきらめく季節、雲に隠れてしまった。
行方知れずの彼を知る人はなく、はりぼての植物に水をやるばかりの日々。事の理由を知らされることも無く、唯再びの逢瀬を夢に見て季節を空費した。
そうして季節は過ぎ去り、知らぬ間に蝉の鳴き声も聞こえなくなっていった。

9/28/2024, 3:58:09 PM

別れ際に

束の間の逢瀬だった。実に半年ぶりなのだけど。
互いに時間が無く、実入りのある会話はほとんど出来なかった。
たとえそんな時でも、それが特別なイベントならば、必ず写真を撮るようにしている。
ふわりと消えていきそうな泡沫の記憶が、手のひら程の大きさにしっかりと焼き付くように。
それはきっと、明日を生きぬく希望になる。

Next