終わりなき旅
朝日にふと目を覚ました。濃霧が景色を包みこんでいる。なぜここにいるのだろうか。
横を見ると、青年がもそもそとお肉を口にしている。どこか浮かない顔をしているようだ。
青年が誰なのか知る由もないが、彼を見ていると未練の念が湧き上がってくる。それが何なのかは知らない。
しばらくして青年は立ち上がり、近くに落ちている骸骨を撫でた。それからこの場所を出発したが、後ろ髪を引かれている様子だった。
そんな彼を追いかけた。霧に飲みこまれてしまう前に。
こうして、透明な僕は旅に出た。
5/31/2024, 9:10:17 AM