送り火を焚いて
あなたを見送る
次に逢えるのは
萩の花が零れ
曼珠沙華が咲く
秋の彼岸
あなたを偲びながら
月日を数え
季節を重ね
諦めのなかで
悲しみや寂しさは
徐々に
薄められていくのだろう
送り火の煙は
空へと
立ちのぼり
あなたが
帰って
行く
☆ 送り火 (247)
花が開くように
密やかに
夜が訪れるとき
記憶された
わたしの中の過去が
ひとつづつ
小さなうねりとなり
打ち寄せる波となって
こころの奥に凍結させた
ひとつの想いを
静かに融解し
空虚な夜の海へと
誘います
遠いあの日
ガラスのこころで拒絶した
あなたの手のぬくもりも
あなたの淋しい嘆息も
今であれば
優しさだけで
包むこともできたでしょう…
想いは
深い海の中
もう
ひとすじの月明かりさえ
届きません
# 夜の海 (246)
お帰りなさい
今年の
お線香の匂いは
好きですか
時だけが
静かに
流れていきます
☆ お盆 (245)
朝起きた時
一日が始まるのが
楽しくありません
こころが
少し壊れ気味のようです
心療内科に行けば
なんらかの病名を
つけられるのかもしれませんが
いまのところ
行く必要性も感じていないし
行く気もないのです
それでも精神安定剤は
欲しい気もしています
病みかけたこころは
無気力
無感動
薬に頼ってでも
こころが
楽なほうがいい
死にたいとは
思わないけど
生きるのも
けっこう
しんどい。。。
# 心の健康 (244)
✢ ✢ ✢
喪失感がもたらす心の不調
原因はそれです
あのひとロス…
今日も一粒
時間薬をのむしかなくて
☆ 独り言 (243)
君の奏でる音楽は
もう二度と
聴くことが出来ないけれど
わたしの耳は
憶えているよ
君の
旋律
音色
息づかいまでも
呆れるほど
泣きたくなるほど
鮮明に
# 君の奏でる音楽 (242)