さよならを言葉にする前に、私はことごとく"独りぼっち"になる。
この人とは、この人達とは、生涯仲間や友人として関わり続けていくことだろう。
などと希望を持ち始めて間もなく、裏切られドン底に落とされる。
こちらがどんなに身を削り、気を使い、実際に手を差し伸べ、助けたか記憶にも残っていなければ自覚もない。
無神経な人間ほど、離れていく私に対して口を揃えてこう言うだろう。
"あいつは変わった、裏切った"と。
離れていくのにも、それ相応の"きっかけ"があるものだ。
こうして使い使い古されて、世の中の悪意を吸い続け汚れた私のスポンジは、誰に洗われることもなく用が済んだら捨てられる。
結局身に染み込んだ毒は、じわじわと苦しみを味わいながら自力で出すしかないのだ。
あと幾つ夜明けが来れば、私の心は安らかになるのだろうか。
今日も冷たい大地を這いながら、果ての見えない闇の中を進む。
誇りとは信念、心情として譲れないもの。
自身の中で譲れないものを考える。
そしてそれが貴方らしさにも繋がる。
私の場合は"悪を許せない"この気持ち、正義感ともいうだろう。
他には"他人を思いやる心"、慈悲や慈愛の感情、想像力を膨らませること。
感情はなんでもいい、譲れないものを紙に書き出すといい。
胸を張りなさい。
それが貴方の強みになる。
月の光さえ呑み込んでしまうほどの深い闇。
沈めば沈むほど外界の光が届かなくなっていく。
深く 深く
だが何故だろう、地上にいる時よりも身体が軽い。
辺り一帯の静寂、光も音も届かない。まるで宇宙空間の闇のように。
静かに 静かに
呼吸は気にするな、それでいい。
何も考えるな。苦しみも、切なさも、悲しみも。
ただ目を閉じて、身を委ねよ。
毒された意識が夜の海に沈んでゆく。
私はもう、精も根も尽き果ててしまった。
友人だと思っていた、仲間だと思っていた人間達は、自身の利益のために友情に背を向けて裏切った。
信頼していた相手に背後から刀で切られたかのような衝撃と絶望感が私を蝕む。
今まで築き上げてきた、共に過ごしてきた時間は何だったのだろう。
友情とは、愛情とは、一体何なのだろうか。
まるで自らの尾を喰らうウロボロスのように、終わりない思考が、頭の中を何度も何度も廻っている。
もういっその事、楽になれたら、どんなに良い事か。
お金より大事なもの。
丁度いいテーマだ。
私は今まで他人に対して思いやりをもって接してきた。人情や優しさというやつだ。
だが、そんな私の考えがこの世界では意味をなさないことを痛感した。
どうして人間は私を裏切るのか、そして私が心を開いて接すると最終的に摂取され使い捨てられてしまうのだろうか。
私の生きているこの世界はお金より大事なものなどないらしい。
全て金や利益によって構成された世界、
そんな世界に失望した。