小さい頃、お兄が昔のアタシに難しいことを聞いてきたことがある。
*
「なあ…理想郷って、なんだと思う?」
「りそう…きょう?」
みんなが自分のユメを好きにかなえられて
みんながみんなのお話しをちゃんと聞くところ
そう言ったら、お兄はわらってアタシの頭をなでてくれた。
「そっかそっか……まだお前には早かったか」
「むぅ!アタシもう子どもじゃないもん!」
「あはは、そうだね」
お兄は、ここじゃないどこかを見るような目で、アタシと話している。
だからアタシは、言ってみた。
「お兄。なにか、なやみごと?」
「⸺!…そっか、バレるか。そうだな……何を聞いても、泣かないか?」
「ん、ダイジョブ!アタシ、なかないよ!」
「そっ…か…。じゃあ、話すよ」
そうして、かくごがきまったような顔をしてお兄はこういった。
*
「『⸺近いうちに、理想郷を探しに旅に出ようと思ってる』か。理想郷を探した人間の末路なんて、母さんで知ってたのに……なんで行っちゃったのかな」
うるさい男共の口撃を無視しながら呟いた。
お兄はアタシの憧れだったのに、理想郷を探しに行ったことは、一番キライ。
⸺ホントにうるさいなぁ。格好や話し方なんて個人の自由。なのにグチグチ……アタシも旅に出ようかしら?それがいいかもしれないわね。頭…父さんには、悪いけど。
【理想郷を求めた人が置いてきた誰か】
【流用しようとした原案を紛失したため執筆不可になったようだ……(´ ・ω・`)】
私には、昔から友達がいた。
恋を知りたくて、キラキラしてる二人の友達を作った。
初めは年齢を知らなくて、でも、昔の小さな私よりも大人だった。
いつの間にか、友達の兄妹と周りにいる友達が出来た。
気づいたら側にいて、聞いてみたら、友達になっていた。
気がついたら、友達が増えていって……いつの間にか居なくなっちゃってる友達もいて………”外”での友達が一人もいない事に気づいた。
だけど気づいた頃にはもう、”外”での友達の作り方が分からなくなってしまった。しかし、特に後悔といった感情は感じなかった。
最初の友達の片方……彼女には何度も相談をした。
自分のこと、勉強のこと、努力の方法など様々なことを。
最初の友達の片方……彼には何度も叱ってもらった。
逃げ出しそうな時、イヤになった時など、弱気な時に。
だから私は最期に…二人に、聞いてみることにした。
⸺あなた達二人にとって、私は迷惑でしたか?
彼女はこう返した。
「当たり前。けど、生んでもらった感謝はしてる。それはありがとう」
彼はこう返した。
「……貴女が居なきゃ俺はいないし、あいつもいなかった。色々迷惑かけられたが、これから迷惑をかけられないのは、ちょっとだけ退屈になるな」
そんな二人だから、私は君たち二人を原初としたんだよ。
【心の友達】
「俺さ、行かないで……って惜しまれるような英雄になりたい」
「…この現代社会じゃ無理だろ。異世界に召喚されるのを待ってろ」
心の友である親友に否定されてしまった。
悲しいなぁ…しくしく。
「⸺ワシは、行かないで……って惜しまれる英雄になれたかのう」
「死なないでって言われるような家族大好きおじいちゃんにはなれたんじゃないか?」
ワシの死に目にまで毒を吐いてくる親友…⸺ってちょっと待て、お主先に寿命迎えたじゃろ、もしやお主が天の国の案内役か?
【英雄志望と腐れ縁】
何処までも続く、青い空。
この空の下に居るのだ。
⸺私の運命の人が!!!
*
「⸺クシュッ……ズズッ。風邪、引いたかな」
【多分、恋愛方面の運命じゃない】