ようやく、手が届く。
他者を踏み台にしながら手を伸ばす。
届け、届け、届け。
やっと、届いた。これで私はこの、じご、くを、ぁ………”また”糸が切られ…最下層へと落とされる。
ここはいくつもの階層が存在する地獄。
時折現れる天の糸を登って地上を目指す、醜き亡者の群れを押し退け糸へと手を伸ばす、それが日常。
⸺あぁ…また最下層からやり直しか………。
地上は高く、いつも亡者を見下ろしている。
【地上を夢見る亡者は両の手では足りない】
「あそこの……あの人、子供っぽくない?」
「わかる。あんな美人に擦り寄るクセに、やることはただ話して引っ付いて…ガキの交流かよ」
通りすがりで見てるだけの人間が、私の友達の悪口を言っている。友達は聞こえてる筈なのに、何でも無いように…いつもと変わらない態度で接してくる。
試しに聞いてみる。
「悪口、嫌じゃないの?」
「んー……そこまで。テメェ等何にも知らねぇじゃんって心の中で言うだけで”いや”が消えるから」
「そうなんだ」
ふふ、君は強いなぁ。
「⸺さん、そろそろお迎えの時間じゃないですか?」
え、あぁ…もうこんな時間。もう少し遊んでいたかったけど、お迎えに行かないと泣かれちゃうもんね。
「そうだね、私の可愛い可愛い長女ちゃんを迎えに行ってあげないと、泣かれちゃうかもしれないし。今日は買い物に付き合ってくれてありがとね、⸺さん!」
「こっちこそありがとう、私の天使ちゃん!」
天使って……私の本性、見抜いてたりするのかな。
私が、人間の革を被った異形の天使だってこと。
【新しい友達、天使ちゃん!】
放課後って、学校に行かなければ真の楽しみが味わえないと思います。
【新たにハマったモノの情報量にパンクしてるんで今回はこれだけで】
朝を告げる陽の光。
そんな優しさに溢れた陽の光を、あろうことか覆い隠してしまう、カーテンという存在。⸺邪魔だなコイツ。
「いや、好きで陽の光を遮ってるわけじゃないけど」
うるせぇ!テメェが遮ってるせいでこっちは陽の光浴びて起きれねぇんだよ!さっさと外れろ!!!
「え、いや今、外そうとしてるじゃないですか」
うるせぇテメェ外しにくいんだよクソが!!!
*
「あれ、何?」
「カーテンをただ外すのが暇みたいで、一人芝居やってるっぽい」
「へぇ……録画しとこ」
【朝から元気】
【文字が渦巻いている…どうやらお題を忘れてどうしようも無くなったみたいだ。乙】