なにもしなくてもしにたいの。
おもいかえしてみると、どうしてあのときしななかったんだろうとおもったりした。
そうおもっただけ、べつにそこにいかりもかなしみもなにもない。フラットだあたしは。
なにもない、なにもない、なにもない。
うれしいもかなしいもにくらしいも全部そのフリをするのに本当は疲れてるの。
ただ、ただ私はそう思ったってだけで、その言葉があるだけで。
そう本当に何も無い私だから、全部取り繕いながら生きるのは相当に疲れるんです
ただ与えられただけの皮を動かして振舞って私がそこにあるかのように、多分これが生きるってことなんでしょうけれどこれがとてもつらいんです。
本当は何も無くても死にたいだけのこんなのが私なんです。
でも痛いのも怖いのも嫌だからただ何も無いままいたいんです。
あのとき、今も記憶はすっぽり抜けてるあのとき、ご飯がある環境だったから食べたんでしょう。お風呂が使えたから体を洗ったんでしょう。用を足すことは出来たんでしょう。
そのまま野垂れ死ねるほどかんたんにはいかないものでしたね。
死にたいって激情に駆られたこともあったりはしたけど、そこまでじゃなくてでもいつも平然と呼吸の代償のように死にたいんです。
こわいくせにね
全ての元凶、物悲しさの始まり、そんな季節。
軽自動車から降り立った時の薄長袖越しの寒さと、どこまでも広がる自然の匂い。
そしてすぐに潰されることとなった、弾む胸の感覚を今でも覚えている。
きっとほとんどの人が加害者で、皆が被害者だった。
おぞましい悲喜交々の記憶が渦巻くあの場所に正解なんて無かったのかもしれない。
それでも、私の人生は続くのであって。
冬、春、夏、と超えて、あなたと共に過ごせる初めての秋。
これから何回も繰り返して、この空気を愛せるようになっていきたい。
私を愛せるようになっていきたい。
本当に私はあなたを愛していたんだって
それだけは絶対に嘘じゃない
逆立ちしたって地球が逆に回ったって林檎が地面から木へと落ちたって
たとえ世界が滅んだって
嘘じゃない!嘘じゃない!
絶対に嘘じゃない!
確かにあったんだ!!!!
私があなたを愛してるという事実が!
おかしいって思われてもそれだけは言わせてほしい。
良いことだけ信じるに限る。
なんてったって、嘘なんでね。
虚偽、嘘、偽りってのは幸せになるためにあるんだよ。
【最初から決まってた】
私はもとより体が弱い。
お祭りなんかに行くとすぐに暑さと浴衣の苦しさ、人の多さなんかでやられてしまっていた。
ただ我慢をするのは日常茶飯事だったので、それらを耐えながら楽しむのが普通だと思っていた。
頭が割れるように痛くてくらくらするのも、呼吸が上がって動悸が収まらないのも、もう帰りたいなんて思いを押し込めることも
全部普通。
これが当たり前だと本気で思っていた。
今、苦しむことが許されて私の苦しみに気づいた今。
それでもなお、あの非日常の夜が恋しいと思う馬鹿な大人に育ってしまった。