あすか@中学生

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4/2/2024, 2:24:27 PM

大切なもの 
大切だったもの
大切にしたいのに
大切にできないもの
ひとは、たくさんたくさん持っている。
それは、誰にも理解できないしされたくない。
それでもだれかに、なにかに 
大切な誰かに侵食されていく。
あぁ、また一つ大切なものを失った。

4/1/2024, 11:28:24 AM

エイプリルフールだから、と言って朝からきみが嘘をついてくる。

「夢の中にキミが出てきたんだ!」
「今朝ワンちゃんとお話して「それは、絶対、嘘」…えへへ、バレた?」
「わかりやすすぎ」

買い物袋を持たされた俺と肩を並べて歩くきみ。恋人でもないのに、
「不純なんかじゃないよ、幼馴染に買い物付き合ってもらってるだけ!」
「そんなこと思ってな「顔に出てた」……ふん、」僕は、顔には、出ないほうだ。断固として。


「あーー!観覧車ある!光ってる!」

キラキラと光る観覧車にぴかぴかと目を輝かせたあと、僕の方に向いて

「一緒に乗ろうよ!ね?」と告げてきた。


夜景がきれいに見えるところまで_観覧車の四分の一のあたりまで_登ってきたところできみが呟いた。

「覚えてる?ここのジンクス」
「なんだっけ?」

それ自体の意味は、知っていた。知っているに決まっている。

「てっぺんで告白したら成功するってやつ」
「そうなんだ、でもありがちなやつじゃん」
「うっさいなー…乙女は、こういうの信じたいの!」
「へいへい」

頬を膨らませて怒るきみを見ながら思う、今日こそ告白しようかな…、と。
きみと出会ってから何十年もたった。もうそろそろ潮時じゃないか?頂上まであと、3…2…1!


「「あのさ」」

……見事に被ってしまった。なんでだ。この観覧車に乗ったらいつもこうだ。少女漫画じゃあるまいし、まあ見たことは、ないけれど

「あ、ごめんなに?」
「や、おばさんに連絡しなくていいのかなって」
「あー、うん!キミの家に泊まろっと!」
「は!?お母さんいるし…」
「嘘つき、一人暮らしのくせに」
「うるせぇ自宅ぐらしめ」
「何だと!?」

あぁ、これでいい。これが心地良いんだろう。進展なんてしなくていい。


「おかえりなさーい!」

スタッフの人の声が聞こえてきみと観覧車から降りるとき、「先降りる」ときみが僕を押しのけて前に出た。

「ちょ、すみません」

他の人に謝りながら先々と進むきみを追いかける。あと、数メートル、届い、

「好きだよ」「……は?なんて、」
「ずいぶんと韻を踏んだね。……好きだよって言ったの」
「ちょっと、待って!」
「いいじゃない、キミの家で答え合わせしたら」

そう言いながら僕の隣に立ったきみと同じ家にかえる。
よく見るときみも僕と同じように顔も耳もピンクに染まっていた。
この時間がいつまでも続いたらいいと思う。
けれど答え合わせは、今日のうちに終わらせねば。僕がどれだけ有頂天になって変なことを
言ってもエイプリルフールのせいにできるように。

3/30/2024, 11:36:26 AM

何気ないふりして、きみの前で涙を隠した。けれどやさしいきみは、自分が涙を流してわたしが涙を流せないことに怒ってくれる。ポツリポツリと頬に涙が伝う。そうするときみがよかった、だなんて言う。だから涙を流したくないんだ。なんでもないふりをしたいんだ。

お題「何気ないふり」

3/24/2024, 11:54:53 AM

 ところにより雨、これが今日の大きな天気予報です。今日の天気の詳細です。私の体には現在、雨と晴れと虹と雷が咲いています。 
両足に雨が咲いていてびしゃびしゃの靴下を履くことになるでしょう。
両腕に晴れが咲いていて雨の時よりもお勉強がスピードアップできるでしょう。
目に虹が咲いていてキラキラとひかってお昼寝もできないかもしれません。
お腹の中に雷が咲いていてぎゅーーって鳴ったりごろごろごろって鳴ったりするはずです。
明日は、きっと雲が咲くはずです、この頃来ていなかったので。 

あなたの中には、何が咲いていますか?  

明日は、何が咲くと思いますか?  

天気予報を見てみましょう!


お題「ところにより雨」

3/23/2024, 1:53:53 PM

 特別な存在って案外、すぐに変わるんだね。
 そんなこと君がいうから別れ話でも切り出されるのかと思って焦って君の機嫌を取り繕おうとした。するとそれは、逆効果だったようで
「何、あ!またテストの点数悪かったんでしょ!もー、あんなに教えたのに!」
と僕の頭を強く撫でて髪をくしゃくしゃにした。
「へ、違うの?じゃあなんで急に褒めたりだなんて……」
 僕が理由を話すと君は、その言葉を理解するにつれて怒りを露わにしていった。
「そんなわけ無いでしょう!ただ、きみがこの前まで好きだったココアじゃなくてコンポタを買ったから…」
 君は、どんどん語尾が弱くなっていくにつれて瞳を湿らしていった。
「きみと別れるなんて、絶対にしないからぁ…」
 ばか、といって僕のコンポタの缶を取り上げて一気に飲み干したきみは、片手に缶を持ったまま僕の方にもう一つの方の手を出してきて「ん、寒いから手繋いで」と頬を赤らめて可愛らしくお願いをしてくれた。
「きみが特別な存在なのは、永遠には変わらないからね」と僕の手をぎゅ、と握りながら僕を見つめてくる君にもちろん、と返し、これからも冬はココアを買うことを心のなかで決めた。

お題「特別な存在」

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