あすか@中学生

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 特別な存在って案外、すぐに変わるんだね。
 そんなこと君がいうから別れ話でも切り出されるのかと思って焦って君の機嫌を取り繕おうとした。するとそれは、逆効果だったようで
「何、あ!またテストの点数悪かったんでしょ!もー、あんなに教えたのに!」
と僕の頭を強く撫でて髪をくしゃくしゃにした。
「へ、違うの?じゃあなんで急に褒めたりだなんて……」
 僕が理由を話すと君は、その言葉を理解するにつれて怒りを露わにしていった。
「そんなわけ無いでしょう!ただ、きみがこの前まで好きだったココアじゃなくてコンポタを買ったから…」
 君は、どんどん語尾が弱くなっていくにつれて瞳を湿らしていった。
「きみと別れるなんて、絶対にしないからぁ…」
 ばか、といって僕のコンポタの缶を取り上げて一気に飲み干したきみは、片手に缶を持ったまま僕の方にもう一つの方の手を出してきて「ん、寒いから手繋いで」と頬を赤らめて可愛らしくお願いをしてくれた。
「きみが特別な存在なのは、永遠には変わらないからね」と僕の手をぎゅ、と握りながら僕を見つめてくる君にもちろん、と返し、これからも冬はココアを買うことを心のなかで決めた。

お題「特別な存在」

3/23/2024, 1:53:53 PM