一笑

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12/17/2024, 10:53:10 AM

【とりとめのない話】

俺のじいちゃんが
教えてくれたことを
皆に話すわ

男っていうのは
告白する当日に絶対
失敗するし話し方もギクシャクする
それを【恥】と思うな
【誇り】に思え どうせ結果は
ホームランだ。ってね


じいちゃん…俺さ
告白する当日も何も
ときめく日がなんも無いんだ。
それっておかしい事?

じいちゃんが死んで
もう2年…
人付き合いも苦手な俺に
誰が背中押してくれるんだよ。

けどさ
俺にも唯一
【幼馴染】がいるおかげで
人付き合いというのをまだ
補っているつもりなんだ。
本当につもり。

けど、変なんだ
幼馴染なアイツが
なんか、ヒール履いてオシャレしたり
田舎なのに意味わからない着方の
洋服を身に纏うようになってさ
慣れないのか転ぶし…

これってさ
ただ慣れないやつで失敗続きなのか
それとも……
じいちゃんが言ってたあの言葉の予兆なのかな?

って言っても
答えてくれるじいちゃんは
もういない。

じゃあ これを読んでいる人に
聞いてみることにする。
あれって…脈アリというものなんですかね。

(笑)

おわり。

12/17/2024, 12:31:55 AM

【風邪】

「うぁぁ…最悪だぁぁ」

何でよりによって
ペア授業の初っ端に風邪なんて

ペアの相手はランダムだし
絶対1人余るはず…その人に
申し訳ないな…っ

こんなにいい天気なのにさ
1時間目から6時間目まで
ペアの相手はどう過ごすんだろ…

カタンッ!

こんな時間に配達物?
と不思議に思い
カーテンを開けてみると

美形だけど絶対コイツ
ヤンキーやん!
みたいな容姿な人が
我が家のポストに何かを入れた。

その人が帰って数分後に
僕はポストの中身を確認し
驚いた。

内容は
ペア授業の内容や必要なもの
今日やっていたであろう授業内容のノート

僕は あんな相手がペアかよって
思っていたのに
まんまと騙された。

根はいい子で優しい子なのかもしれないな。
けど!それは漫画の世界!騙されないぞ!!
っと心の中で謳歌した。

そのヤンキーくんは
毎日同じ時間に
ポストへと手紙類を入れている

僕はお礼なんて言えず
その様子をずっと窓から見ていた。

ある日のこと
こんなに天気が荒れるとは
天気予報士の人もビックリと発言するくらい
天候が一気に変わってしまった。
大雨だ。

流石にかなって思い
カーテンを開けると
傘もささず…カッパも着ず
制服でポストの前に立っていた。

僕は無意識に玄関の方向へと足を進め
気づけば そのヤンキーくんの手を
我が家の玄関にまで連れてきてしまった。

気づいた頃には遅かった。
僕は知らない人を家に入れてしまった
もしくは、知らない家にヤンキーくんを
押し込んでしまった。
2つの罪悪感からオドオドしてると

ヤンキーくんが口を開いた。
「あ…ありがと……」

意外にも声は高くて
声変わりもしてない青少年のような声色だった。

「ずっと…話したかった」

「僕と!?」

見た目とは正反対に
ヤンキーくんは 人見知りのように感じた。

「窓から見てたよ…ね?」

僕はギクリとした
バレていたらしい。

そのヤンキーくんは
僕が休んでた時の学校の様子を
綴らに話してくれた。

最初の授業で失墜をしてしまった。
そこから怖がられるようになり
誰も相手にしてくれない。
先生にさえも距離を置かれるほどにまで

それを半泣きになりながら
語ってくれた。

僕は
【そんなことないよ】と
言うべきなのか
【頑張れ】と背中を押すべきなのかを
頭の中でループ化している。

悩んでいると横で
クシュンと聞こえた。
鼻が真っ赤で今にも凍えそうなくらい
寒そうに手同士を擦り合わせている。

「あ!ごめん!タオル持ってくる!」
っと体の向きを変えようとした
そしたら後ろから

「大丈夫…っ!
俺…このまま風邪ひいて
学校休もうかなって考えてるし」

僕は再びヤンキーくんの方へと
体を向け発言した。

「一緒に登校するためには
お互いが健康体でいることだよ」

っと伝え
タオルがある洗面所にへと向かった。

初めて友達が出来た。
嬉しかった。

案外、風邪をひいての
友達付き合いは悪くないのかもしれない。

12/15/2024, 12:26:57 PM

【雪を待つ】

来ねーな。

ポイ捨て禁止という看板の横で
俺はある人に待たされている。

「約束の時間過ぎてんだけど
あいつ何してんだよ!!」

携帯を開くと
待ち合わせの時間より10分以上
過ぎているのが間のわかりだった。

普通なら彼女の化粧が遅れたとか
電車が止まったとかなら
まだ許せるのだが

俺が待っている人は
友達だ…ましてや男のな!!

たまたま信号が
夜間専用に変わり
押しボタンを押すとすぐ
変わるようになっていた。

それをボォーと見ていると
横断歩道の先で
友達が携帯をいじりながら
誰かを待っている。

「は?アイツ来てんじゃん?」

と思い近づこうとしたら
相手が携帯を耳に当て こう言った。

「待ち合わせの友人来ないから
そっちで鍋パしね?」っとね

呆れた。あっちは待ってるどころか
他の友人と遊ぶ。
なんて最悪の選択肢なんだ!!

じゃあ、俺は誰を待っているんだよ…!
半額のおにぎりか?それとも
アイツと分けて食おうとしたケーキか?

なにが、なにが!!
お互いクリぼっち民!!
仲良くケーキでも食って心満たそうぜ?だよ!!

お前はボッチじゃねし
俺は今、ボッチ確定なんだぞ!?

………アイツは
友達を待っている

俺は誰と待ち合わせして
誰と会って、誰と共に過ごすんだよ

時間が経つと
俺の事を嘲笑うかのように
雪がシンシンと降り出した。

そうだったのか
俺はもしかして
人を待たずに【雪を待っていた】のかもしれない
その雪が俺の頭を冷やし、それで
新しい気持ちに切り替えろという
神様の善意だったかもな
また、合図だったのかもしれないかもな


おわり

12/14/2024, 11:57:20 AM

【イルミネーション】

急変したらしい……。

午後18時をすぎる頃
電話が俺の部屋の中に鳴り響いた。

そこには祖母が入院している
病院からだった

内容を聞くと
心臓に負担がかかっている状態らしい

早くて1週間
長くて2週間持ち越せるか

だってさ…。

おばあちゃんっ子で育った俺は
誰よりも 大好きで
おばあちゃんが作った金平なんて…もう!
美味いったらありゃしない!

そんなおばあちゃんが
心臓がヤバくて死にそうだ?
ふざけんな!そんな俺の大切な人を
この世から消し去らないでくれ…!

俺はマスクと携帯だけを持って
病院へと向かった

周りの人が
残像になるくらい
急ぎ足で足を進めた

舌打ちされたって
文句言われたって
冷たい目で見られたって
なんでもいい。


気にすんな俺…
無理すんな俺…
足を進めろ俺…
………泣くなよ…俺ッッ!!

涙が頬を伝う

もう見上げれば
病院の建物が目に入るのに
【見たくない】

部屋の窓の電気が暗かったら終わりだ。
俺は恐る恐る目を上へと向けた。

明るかった。他の窓さえも明るい。
ばあちゃん生きてる。
この病院に入院している方達も生きてる。
みんな生きてる。俺も生きてる。

涙が再び溢れ出し
視界がぼやけ始めた瞬間気付いた
イルミネーションみたいだ…ってね

これは命と命が
繋ぎ止めているであろう
特別で最高の【イルミネーション】だ!!

おわり

12/13/2024, 1:31:18 PM

【愛を注いで】

愛のコップってご存知ですか?

「あ?なんだこのCM」

たまたま職員室のテレビで
目にした内容だった。

「聞いてんのか?」

俺は先生の声で
意識を現実へと戻された。

「お前言ったよな?
今回のテストは特に頑張れって」

「言われたような~?言われてないような~?」

「はぁぁ…数学ならまだ
皆が苦手だからって思えるけどな
なんで、苦手科目が現代文なんだよ」

「数学は公式覚えればいけるっしょ?
けど、現代文とかって公式ねぇーじゃん!!」

「敬語を使え。そこからだぞ?」

「………」

「どうした?黙って」

「1+1は2」

「は?お前…壊れたか?」

「センコー?数学は四捨五入あって
【切り捨てる】ことはできるけど
なんでさ、恋愛は切り捨てられねぇーの?」

「お前にしては難しい質問を問いてくるな」

「別にいいじゃん?」

「コップに満杯の愛が入ってるとしろ」

「愛?水じゃなくて?」

「いいから黙って聞け」

「満杯の愛が縁ギリギリなのに
そこから新しい愛を入れたらどうなる?」

「縁ギリギリだから溢れるに
決まってるっしょ?」

「そうだな、けど
コップにヒビが入ったら?」

「もれる!!」

先生は首をゆっくり左右にふった。

「もれない」

「は?ヒビだろ?絶対そこから
もれだすに決まってる!」

「俺の話聞いてたか?
誰も水の話をしてないんだよ」

「ん?センコーこそ頭壊れた?」

「よく耳にしないか?
【歪んだ愛はドロドロ】って」

「ドロドロ?」

「ドロドロだからヒビが入っても
もれだすことはない。」

「へぇー!なるほど!」

「どんなにコップがヒビ入ろうとしても
中の愛は一滴もこぼれない
けれど愛を受け取りすぎると溢れる。」

「あー、確かに溢れちゃうな」

「けどなよく未練ってあるだろ?」

「それさ!!マジで現在進行形!!!」

「じゃあ、そんなお前に朗報だ」

「溢れ出た愛は地面へと落ちるよな?」

「ひゅーと落ちるな」

「落ちたとしてもドロドロな
愛は現状を保ったままだ」

「うん?それが?」

「結局、コップの周りにドロドロくっついてんのは
歪んだ愛が滴ってるってこと」

「やべぇ…分かんなくなってきた」

「簡単に言うとな俺が言ってた
【コップ】を【心】に変換してみろ」

「コップを心に変換?」

「いいか?
歪んだ愛がお前の心にまだ
ドロドロにくっついてるってことは
消化しきれてないってことだ」

「あ!だからか!!」

「そうだ、だから未練ってことだ」

「俺の心の周りを溢れ出た愛が
まだくっついてるってことで
未練タラタラってことになってるってこと!?」

「お前…本当に国語苦手なんだな」

「へ?」

「俺が簡潔に教えてやる」

「さすがセンコー!」

「俺が言いたいのは
愛の未練が試練に変わったってこと」

「ん?え?もっとよく分かんねぇ」

「新しい1歩を踏み出せってことだ」

「それと愛をどう関連づけたんだよ?」

「いいから行ってこい」

「何処に?」

「予鈴なったぞ」

「あ!やっべぇぇ!
センコー!よく分かんなかったけど
サンキューな!またな!!」

静かになった職員室で俺は言葉を発した。
【俺はお前に生徒として
愛を(すくった)救ったんだよ…このクソガキが!】


おわり

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