藤華

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3/3/2025, 8:17:18 AM

「みなさま、ごきげんよう。」
お母様の挨拶で始まる。長い長い会が。
「今年も、みなさまとこうしてたくさんお話しができることをとても嬉しく思います。」
堅苦しい(?)はじめの言葉を言い終わり、みなそれぞれ話し始める。
暇だなぁ。この時間。私は何にもすることがない。
「あの、これ、落としましたよ。」
突然声をかけられた。答えるときは、上品な言葉で。お母様から言われたことを思い出しながら答える。
「わざわざ拾ってくださり、ありがとうございます。」
「いえ。それでは。」
そう言って去っていく。お綺麗な方だった。とても。

トントン

肩を叩かれ、振り返る。
「あら、誰かしら?」


「誰かしら?」

3/2/2025, 5:24:25 AM

春。雪が溶け、花が咲き始める。

夏。青々と茂る木々が風に吹かれ、気持ちが良い。

秋。夏の暑さや木々の生き生きとした様子が嘘のように、皆が寒さに耐える準備をしている。

冬。寒い中登校する。君の優しさで心が温まる。

私の想いが芽吹く時。

「芽吹きのとき」

3/1/2025, 9:01:29 AM

寒くて、苦しくて、つらくて、どうしようもなくって。

でも、君がいてくれたから、生きられた。
ここまでやってこられた。

あの日、抱きしめてくれたから。あたたかいあの温もりが、安心できたから。

ありがとう。そして、

サヨナラ。

「あの日の温もり」

2/26/2025, 11:15:15 AM

私は記録係。この世界での出来事や人々の想い、その全てを記録する。1つも、1人も、決して記録し忘れることはない。

私は記録係。私自身の想いも記録する。たまに、よくわからなくなってしまうこともある。自分のことを1番わかっているのは、案外、自分以外なのかもしれないな。

「記録」

2/26/2025, 11:11:29 AM

はぁ、なんで私は今日も、こんなにダメなんだろう。
−遡ること、数時間
「あーっ!」
登校中に持っていたバックを落とした。しかも、少し泥の混じった水たまりに。1番大事なのは、持っていたバックの中身。何を入れたっけ。そう思い出しながらバックを拾う。と、私は絶望したのである。
「す、スマホがーっ!」
朝充電して放り込んだままのスマホ。最近カバーを変えて、ピカピカに光り輝いていたスマホ。それが、今は、
「汚ったな…」
くなっている。それだけならまだいい。スマホが無事で、ほっとしながら学校に行くと、遅刻である。まだ、それだけなら、まだ、いい。でも、3限目の理科の実験では混ぜてはいけない液体を混ぜてしまった。先生は、
「少しくらいなら大丈夫だよ。そんな、世界の終わりみたいな顔しなくったて、大丈夫だって。」
と言ってくれたが、私は先生が優しすぎると思う。だって、混ぜたらダメってはじめに言ってたんだよ?はぁ、もうそんなのもどうでもいいわ。はぁ、ホントに、はぁ。ため息しか出ない。
そして、昼ご飯のお時間。今日はお母さんの手作り弁当。友達と食べる気になれなくて、校庭に出て1人静かに食べ始める。
「ん?」
急に暗くなったな。と思い、顔を上げると、目の前に人がっ⁈
「きゃっ⁈はっ、えっ、な、誰?」
あ、失敗、した。先輩かもしれないのに。でも、その人は優しくって、
「ごっ、ごめん。そんな驚くと思わなくて。…君、よかったら一緒に食べない?」
と、一緒に食べるお誘いを、って、え?なぜ急に?
「だめ、かな?」
え、は、なんか、急に、目、おっきくなってません?
「いや、いいですよ!むしろ、嬉しいです。」
心にもないこと言ってしまったのである。
「はぁ。」
なんで、私はこんなにもダメなんだろう。
「どうしたの?ため息ついて。」
えっ、声出てた?やばっ。
「僕でよかったら、話きくよ?」
なんか、なんでか、急に話したくなって。気づいたら今日のこと全て話してた。そしたら急に先輩(?)が
「ちょっと、ちょっとだけまってて。」
そう言ってどこかへと行った。
戻ってくると、その手には一輪の花が。
「これ、元気出るでしょ?一輪だけだけど。」
そう言って私の髪に挿してくれた。
「あ、ありがとうございます。嬉しいです」
その時から先輩…颯くんと話してる時、ドキドキしてるのは、まだ私だけの秘密。


「一輪の花」

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