どこにいても、どんな時でも、君を探してしまう。
もう、無意識なんだ。
もう、止められないんだ。
今日も、君を探してしまう。
いつか、
君を探さない、
探さなくても、
隣に居られる日が、くるのかな…?
「君を探して」
あなたの心は、透き通っている。
黒いところがなくって。
心配になるほど正直で。素直で。
透明なあなたの心を感じるたびに、なんだか自分がつまらない人間に思えてくる。
でも。
あなたのことが好きだから、自分のことを好きでいようって、思えるんだ。
これだけは、私の純粋で綺麗な、透明な、心、なんだ。
「透明」
「うららかな春の日差しを受けながら、私たちはこの学校に入学しました。」
今日は卒業式。今、私は、代表の子が答辞をしているのを聞いている。
…
あぁ、あっという間。入学したときは、そんなことなかったのにな。あぁ、あ。泣きそう。もう、会えなくなるのか。もう、学校生活、終わるんだ。
今日は終わりの日。そして、新たな初まりの日。
「終わり、また初まる、」
「みなさま、ごきげんよう。」
お母様の挨拶で始まる。長い長い会が。
「今年も、みなさまとこうしてたくさんお話しができることをとても嬉しく思います。」
堅苦しい(?)はじめの言葉を言い終わり、みなそれぞれ話し始める。
暇だなぁ。この時間。私は何にもすることがない。
「あの、これ、落としましたよ。」
突然声をかけられた。答えるときは、上品な言葉で。お母様から言われたことを思い出しながら答える。
「わざわざ拾ってくださり、ありがとうございます。」
「いえ。それでは。」
そう言って去っていく。お綺麗な方だった。とても。
トントン
肩を叩かれ、振り返る。
「あら、誰かしら?」
「誰かしら?」
春。雪が溶け、花が咲き始める。
夏。青々と茂る木々が風に吹かれ、気持ちが良い。
秋。夏の暑さや木々の生き生きとした様子が嘘のように、皆が寒さに耐える準備をしている。
冬。寒い中登校する。君の優しさで心が温まる。
私の想いが芽吹く時。
「芽吹きのとき」