藤華

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はぁ、なんで私は今日も、こんなにダメなんだろう。
−遡ること、数時間
「あーっ!」
登校中に持っていたバックを落とした。しかも、少し泥の混じった水たまりに。1番大事なのは、持っていたバックの中身。何を入れたっけ。そう思い出しながらバックを拾う。と、私は絶望したのである。
「す、スマホがーっ!」
朝充電して放り込んだままのスマホ。最近カバーを変えて、ピカピカに光り輝いていたスマホ。それが、今は、
「汚ったな…」
くなっている。それだけならまだいい。スマホが無事で、ほっとしながら学校に行くと、遅刻である。まだ、それだけなら、まだ、いい。でも、3限目の理科の実験では混ぜてはいけない液体を混ぜてしまった。先生は、
「少しくらいなら大丈夫だよ。そんな、世界の終わりみたいな顔しなくったて、大丈夫だって。」
と言ってくれたが、私は先生が優しすぎると思う。だって、混ぜたらダメってはじめに言ってたんだよ?はぁ、もうそんなのもどうでもいいわ。はぁ、ホントに、はぁ。ため息しか出ない。
そして、昼ご飯のお時間。今日はお母さんの手作り弁当。友達と食べる気になれなくて、校庭に出て1人静かに食べ始める。
「ん?」
急に暗くなったな。と思い、顔を上げると、目の前に人がっ⁈
「きゃっ⁈はっ、えっ、な、誰?」
あ、失敗、した。先輩かもしれないのに。でも、その人は優しくって、
「ごっ、ごめん。そんな驚くと思わなくて。…君、よかったら一緒に食べない?」
と、一緒に食べるお誘いを、って、え?なぜ急に?
「だめ、かな?」
え、は、なんか、急に、目、おっきくなってません?
「いや、いいですよ!むしろ、嬉しいです。」
心にもないこと言ってしまったのである。
「はぁ。」
なんで、私はこんなにもダメなんだろう。
「どうしたの?ため息ついて。」
えっ、声出てた?やばっ。
「僕でよかったら、話きくよ?」
なんか、なんでか、急に話したくなって。気づいたら今日のこと全て話してた。そしたら急に先輩(?)が
「ちょっと、ちょっとだけまってて。」
そう言ってどこかへと行った。
戻ってくると、その手には一輪の花が。
「これ、元気出るでしょ?一輪だけだけど。」
そう言って私の髪に挿してくれた。
「あ、ありがとうございます。嬉しいです」
その時から先輩…颯くんと話してる時、ドキドキしてるのは、まだ私だけの秘密。


「一輪の花」

2/26/2025, 11:11:29 AM