「みなさま、ごきげんよう。」
お母様の挨拶で始まる。長い長い会が。
「今年も、みなさまとこうしてたくさんお話しができることをとても嬉しく思います。」
堅苦しい(?)はじめの言葉を言い終わり、みなそれぞれ話し始める。
暇だなぁ。この時間。私は何にもすることがない。
「あの、これ、落としましたよ。」
突然声をかけられた。答えるときは、上品な言葉で。お母様から言われたことを思い出しながら答える。
「わざわざ拾ってくださり、ありがとうございます。」
「いえ。それでは。」
そう言って去っていく。お綺麗な方だった。とても。
トントン
肩を叩かれ、振り返る。
「あら、誰かしら?」
「誰かしら?」
3/3/2025, 8:17:18 AM