さよならを言う前に。
今日1日の報告書を提出し、
明日1日の予定を報告して、
今月の売上予定を提出し、
来月の売上予定も提出する。
売上が上がらず、怒られて、
時間を有効に使えていないと怒られて、
残業時間が多いと怒られて、
やっと会社にさよならを言える。
さよならって言うの、簡単じゃないよなー
空模様
私の住んでいる地域には、こんな言い伝えがある。
「弁当を忘れても傘を忘れるな」
この地域は天気が変わりやすいので、いつも空を見上げ、空模様を確認する習慣がある。
この言い伝えは、そんな地域特有の知恵であり、とても素敵な言葉だと思う。
傘は必需品だが、かさばるのが悩みの種。
だから、私は常にコンパクトな折りたたみ傘をカバンに忍ばせている。
そして、私の会社にも言い伝えがある。
「商談を忘れても会議を忘れるな」
私の会社は会議が大好きなところだ。
たとえ重要な商談が重なっても、会議への出席が最優先される。
「会議をすれば売上が上がる」と本気で信じている部長がいる。
そして、私たちはそんな部長の機嫌を伺い、彼の「空模様」を気にしてばかりいる。
この言い伝えは正直、クソだ。
部長の急な「雨」に備えて、心の傘も必需品だが脆いのが悩みの種。
かさばっても良いから、嵐にも負けない強くてデカイ傘、どっかに売ってないかなー
最近のランチはもっぱらゆで太郎に行くことが多い。
ただ、私の良く行く店舗は、どうにもオジサンばかりだ。
券売機の列の前を見ても後ろを見てもオジサン。
テーブルの右を見ても左を見てもオジサン。
店内も駐車場もオジサン。
「本当にオジサンばっかりだなぁ」と、毎回思うけれど
食後に携帯の鏡機能で身だしなみを整えるとき、鏡に映ってるのが自分が1番オジサンなんだよなー。
さて、今日も午前中バリバリ仕事して、オジサン達に会いに行こー。
誇らしさ
私は営業として城下町付近をエリア担当していたことがある。
最初はがむしゃらに営業に取り組んでいたものの、なかなか成績が上がらず、焦りを感じていた。
ある日、お客様との何気ない会話の中で、祖先が武士であることが分かったので、そのことを褒めてみた。
すると、お客様は笑顔で誇らしげに、その話をしてくれた。
その時の表情には、まさに「誇らしさ」が溢れていた。
それ以降、私は何がその人にとって誇らしいことなのかを見極めるようになった。
ある方は家族の事を。
ある方は職業の事を。
ある方は故郷の事を。
それぞれが誇りに思っていることを見つけ出し、賞賛した。
その結果、信頼関係を深めることができ、少しずつだけど成績も上がるようになった。
しかし、私自身がそんな誇らしい表情を浮かべる瞬間は、まだ訪れていない。
私もそんな顔をしたいのだ。
誰が成績上げに来ないかなー
「夜の海は妖怪が出るから行っちゃダメだよ。」
夏休み、オジイの家は海が近く、従兄弟たちと海で遊ぶのが一番の楽しみだった。
ちょうどアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』で牛鬼の回が放送されていたので、オジイの言葉はますます恐怖を感じさせた。
「こんな妖怪が出るから、夕方には必ず帰ってくるんだよ」と言われ、その言葉が心に深く刻まれた。
二階の窓から見える夜の海は、真っ暗で底知れぬ恐怖を抱かせた。波の音が不気味に響き、何かがそこに潜んでいるような気がした。
時は流れ、私は大人になり彼女と夜の海岸沿いをドライブしていた。
もう妖怪が実在しないことは知っている。
しかし、あのとき感じた恐怖が再び胸をよぎった。
どこかおかしな雰囲気。
そして、ふと頭の中で警報が鳴り響いたように感じた。
まるで鬼太郎の妖怪アンテナが反応しているかのような、身の危険を告げる予感。
「これはドライブどころじゃない」と思い、急いでアクセルを踏んだその瞬間、リアドアが【ドンッ】と鈍い音を立てた。
私はパニックになり、アクセル全開で追いかけてくる暴走族から逃げた。
何とか逃げ切ることができたがリアドアは蹴られた跡が残った。
やっぱり、夜の海は妖怪が出るんだと、オジイの言葉が身にしみた思い出でした。