エビフライ

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8/17/2024, 5:24:52 AM

誇らしさ

私は営業として城下町付近をエリア担当していたことがある。

最初はがむしゃらに営業に取り組んでいたものの、なかなか成績が上がらず、焦りを感じていた。


ある日、お客様との何気ない会話の中で、祖先が武士であることが分かったので、そのことを褒めてみた。

すると、お客様は笑顔で誇らしげに、その話をしてくれた。

その時の表情には、まさに「誇らしさ」が溢れていた。

それ以降、私は何がその人にとって誇らしいことなのかを見極めるようになった。

ある方は家族の事を。

ある方は職業の事を。

ある方は故郷の事を。

それぞれが誇りに思っていることを見つけ出し、賞賛した。

その結果、信頼関係を深めることができ、少しずつだけど成績も上がるようになった。

しかし、私自身がそんな誇らしい表情を浮かべる瞬間は、まだ訪れていない。

私もそんな顔をしたいのだ。

誰が成績上げに来ないかなー

8/16/2024, 8:02:41 AM

「夜の海は妖怪が出るから行っちゃダメだよ。」

夏休み、オジイの家は海が近く、従兄弟たちと海で遊ぶのが一番の楽しみだった。

ちょうどアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』で牛鬼の回が放送されていたので、オジイの言葉はますます恐怖を感じさせた。

「こんな妖怪が出るから、夕方には必ず帰ってくるんだよ」と言われ、その言葉が心に深く刻まれた。

二階の窓から見える夜の海は、真っ暗で底知れぬ恐怖を抱かせた。波の音が不気味に響き、何かがそこに潜んでいるような気がした。

時は流れ、私は大人になり彼女と夜の海岸沿いをドライブしていた。

もう妖怪が実在しないことは知っている。

しかし、あのとき感じた恐怖が再び胸をよぎった。

どこかおかしな雰囲気。

そして、ふと頭の中で警報が鳴り響いたように感じた。

まるで鬼太郎の妖怪アンテナが反応しているかのような、身の危険を告げる予感。

「これはドライブどころじゃない」と思い、急いでアクセルを踏んだその瞬間、リアドアが【ドンッ】と鈍い音を立てた。

私はパニックになり、アクセル全開で追いかけてくる暴走族から逃げた。

何とか逃げ切ることができたがリアドアは蹴られた跡が残った。

やっぱり、夜の海は妖怪が出るんだと、オジイの言葉が身にしみた思い出でした。

8/14/2024, 3:29:57 PM

小学生の頃、自転車に乗ってどこまでも行けると思っていた。

知らない場所へ行くことが楽しかった。

しかし、校区外に出たことが先生にバレて、ビンタされた。

中学生の頃も、自転車でどこまでも行けると感じていた。

知らない人たちを見るのが楽しかった。

でも、知らない高校生に公園のトイレに連れて行かれ、殴られた。

高校生になると、また自転車に乗ってどこまでも行けると信じていた。

知らない風景を見るのが好きだった。

しかし、彼女が車に乗る先輩と仲良くしているのを見て、自分がまだ自転車にしか乗れないことに悔しさを感じ、次第に自転車から遠ざかっていった。

父となったとき、息子が自転車を欲しがり、自分の分と2台購入した。

息子と二人で自転車に乗り、どこまでも行けると思っていた。

知らない公園に行くことが楽しかった。

しかし、息子はすぐに飽きてしまった。2台で10万円だった。

振り返ると、自転車にまつわる思い出はあまり良くないものばかりだ。

でも、思い出がたくさんあることは確かなんだよなー🚴

8/12/2024, 9:21:41 PM

君の奏でる音楽に恋をした。

友人のピアノ発表会で演奏していた君。

その演奏は、とても綺麗で、とても美しかった。

こんな子と付き合いたい、そう思った。

見た目ばかりで女性を追いかけていた中学時代。

初めて、見た目以外で、音で人を好きになった。

それから1年後、奇跡が起きた。なぜか君が彼女になってくれていた。←予想外

さらに1年後、いつ振られるかとビクビクしていたが、まだ付き合ってくれていた。←想定外

そのまた1年後、君が車を持っている年上の男とたくさん遊んでいるのを知っていたが、何も言えず、それでもまだ付き合ってくれていた。←予想外

さらに1年後、私の友達と、明らかに友達以上の距離感で話しているのを見たが、振られるのが怖くて、やっぱり何も言えなかった。←予想通り

そしてその1年後、君は私の前から消えていた。←予想通り

音で好きになった人は後にも先にも君だけだったけれど、調律の取れた関係を続けることはできなかったなー。←オチは予定通り

人生って意外と予想通りかもー笑

8/11/2024, 11:58:37 PM

麦わら帽子

唯一、私に似合う帽子。

だが、時期限定、時間限定で、場所限定のアイテムである。

そんなことは関係無いし、誰も私を見ていないのは分かっってるが、それでも気にしてしまう。

人の目を気にしてばかりの自分が本当に嫌だ。

だから一緒に出かける友人は、そんな事を気にしないタイプの漢を誘う。

しかし、そんな漢は「麦わら帽子似合うね!」とか言ってくれない。

そんな事を気にする性格ではないからだ。

でも褒められるのが好きな承認欲求の強い私。

唯一自分が似合う麦わら帽子を被っているのだ。

褒めて欲しい。

だから褒めてくれる友人を誘う。

しかし気の利く友人は気付く、「室内なのに」、「9月なのに」、「雨なのに」、「夜なのに」、「キャバクラなのに」、「ハゲてるのに」

気付かれてしまう。

うーん

今日は出かけず大河ドラマみよー

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