「雨と君」
曇り空が近くなって、降り出した
大粒の雨
雨宿りする自転車の人
後部座席から、見送っては
あの日へと…
部活帰りの子を、見送っては
あの日へと…
僕は、待ってるかも、分からない君の元へと
天気予報は、知らなかったんだ…
まだ、待ち合わせ場所までは、遠いけど
雨宿りしてるかも…
バス停や、屋根がある、人を見ながら
雨粒は、僕を型取り、濡らしていく
待ち合わせした…
胸を冷やしてるけど
落ち着かせてるんだ、これでも…
きっと
君に会えば、溢れてしまう
好きが。
雨が降っていて、良かった
恥ずかしい僕も、かっこつける僕も
何も、まとわずに、雨粒は僕に弾いている。
「誰もいない教室」
朝早く行き
帰りは遅くまでいた。
誰もいない教室が、一番好きで
あの空気が、一番好きで
あの頃
どこにも居場所が無かった中で
自分なりに、見つけた
好きな空間。
今でも、変わらない
ひとりの時間が長く、育ったからか
人混みが苦手で
誰かと食べる空間も苦手で
それでも
誰もいない教室にいる、自分を好いていた。
言い出せなかった「」
言い出せなかった「言葉達」
言わずに
頭の中で会話した
想像力の「種」になる
言った「相手」になれる
元は何かと「問う」事が出来る
確かに
言い出せなかった時は
「迷い」がいる。
それは
言い出せなかった「何か」が
直感的に
経験値的に
空気感を察し
言い出せなかったになっただけで
後から、言いたかったなら
「あの時…」と話しを切り出した時に
相手は
「覚えててくれたんだ」
と、未処理だった、相手の感情が引き出しから
取り出され
「何の話し?」
と、忘れている、相手もいるのだと
生きている「速度」を知る。
「Secret Love」
今なら言えるよ…
初恋に、似た気持ち
だけど、「憧れ」だったのだと。
名も思い出せない
思い出の中に、今、あなたはいるのです
Silhouetteは、大きく
穏やかな地に、輝いているから
その中に、かがんでみた
幼き日
…
大人へと遠ざかり
かがむ、このSilhouetteの中に
秘めた想いは、おもちゃ入れの様に
時が経ち
いつの間にか、姿は無いけれど
あのSilhouetteの、暖かさは永遠に
この胸に…
暖かい陽射しに、照らされている。
今、ひとつ暖かさを手に取ったように
おもちゃの奥に
眠ったままの、物語りが
両手から
風に乗り、綿毛へと…
「ページをめくる」
改めて思う
「思い出」の形の意味を。
改めて思う
「書いた」方が覚えている中身を。
どちらでも無い「時」のページの真ん中
「時代」のページを、めくりながら
巡りながら
まだ
まっさらな、真っ白な
「明日」のページが、待っていてくれている
誰にでもある「明日」のページを
今は、開く前。