あなたの心の中、大切な気持ち。
私が預けた、小さな愛。
あなたが大きくなったら、
どんな子に、預けるかな。
あぁ、空はこんなにも澄んでいるのに、
どうしてこの心は晴れないのだろう。
あぁ、空はこんなにも澄んでいるのに、
どうしてこの国は暗いのだろう。
あぁ、空はこんなにも澄んでいるのに、
どうしてこの世界は汚いのだろう。
あぁ、空はこんなにも汚いのに、
どうしてこの人たちは生きていけるのだろう。
あの時見た夢は、叶いましたか。
寿司屋や車屋、宇宙飛行士だってあったでしょう。
子供の頃の夢を、今も、
あなたは思い出せますか。
彼の手を握る。
「行かないで……あなたがこのまま行ったら、
もう、二度と会えない気がするから……。」
彼は優しくて、しばらくお話をしてくれた。
でも、彼が帰らなきゃいけない時間になって。
これ以上、引き止められなくて。
彼の背中に声をかける。
「帰り道、本当に気をつけてね……。」
彼はわかった。って言ってここを離れた。
数分後、外からスキール音が聞こえ、
その後ガシャーンとなにかにぶつかった音がした。
暴走車が人にぶつかったらしい。
私は嫌な予感がして、外を見る。
当たってしまった。
ぶつかられたのは彼で、彼は血を流して倒れていて、
彼はすぐにこの病院で治療されて、
でも、もう戻ってこなくて。
もし、彼がもう少し早くに帰っていたら。
もし、私が引き止めなければ。
なら、彼を殺したのは……私か。
君の背中を追って、
僕はこの世界にやってきた。
君がいたから、頑張れた。
君がいたから、強くなれた。
でも君は、先に進むことをやめ、
別の道に行ってしまった。
なぜ?あんなに強かったのに、
なぜ?あんなに頑張っていたのに、
また、一から始めようとするの?
気がついたら、
君がいたところは僕の後ろにあって。
僕は君より強くなってて。
そこに立ってようやく気づいた。
ここは終わりじゃなくて始まりで、
まだ長い人生の最初に過ぎなくて、
これは人生を懸けてするものではなくて、
ただ人生を豊かにするだけの、
付属品に過ぎなかったこと。
だから僕は、また君の背中を追っている。
君のような大人になるために。