ちょっとコーヒーに逃げ込んでみる。
砂糖いっぱいでミルクいっぱい。
……ちょっとあまくしすぎたかな…飲みづらい…
少し置いちゃったけど大丈夫かな…うん、まだせーふ。
………
昨日は甘くしすぎちゃったし、今日はブラックで飲みたい気分だし。
……んー、コーヒーってこんなに苦かったっけ…
また少し置いちゃった…うん、まだぎりぎりせーふ。
………
昨日は極端だったかな、ミルクはいいとして…砂糖はすこし。
……うん、ちょうどいい
さて、今日はもうひとがんばり…日付変わってるけどきにしなーい……
……あれ…コーヒー冷めちゃった…砂糖を入れなさすぎちゃったかな…時間は…そこまで経ってないし……そういえば、最近ずっと少し冷たかった気がする……私のせい、かな……
私が砂糖を入れなさすぎたから…甘くしなかったから…
もっと温かかったら良かったかな…優しくすれば良かったかな…
今まで通りじゃ無かったら…別れるなんてなかったのかな…
あぁ!あの時に戻れたらどんなに良かっただろうか!
あぁ、あの時私がこんなことをしたらどうなってただろうか。
あぁ...あの時の私はなんでこんなことをしたんだろうか...
後悔、すべて後悔。
後悔というのがパラレルワールドを生み出し、
後悔というのに縋る我々がパラレルワールドを願う。
過去から逃げて、今を呪い、明日を縛る。
パラレルワールドなんて観測できない。
少なくとも今は。
我々がいるのは三次元と呼ばれる世界。
これに全ての時間が同時に存在するものが四次元という世界。
全ての時間でそれぞれの世界があるのが五次元という世界。
我々がパラレルワールドというものを観測するためには、一度五次元に行かなくてはならないのだ。
タイムワープ、つまりこの三次元世界で四次元世界にたどり着けていない今、五次元を願うことはかなりの無意味である、と思われる。
完全に否定しない理由は、完全に否定出来る理由・証拠が現時点では存在していないからだが。
私とあなた、ふたり
どこまでもあなたといっしょ
どこにいても、いつまでも、
たとえ離れようとも、
絶対にふたり。
もう…離れたくない。
離れたら…許さないからね…?
1歩外に歩み出た。
周りが暗くなった。
急に苦しくなって、潰れていった。
1歩外に歩み出た。
世界に流された。
やがて倒れて、潰された。
1歩外に歩み出た。
世界が自分に目を向けた。
目線に押し潰されて、堕ちた。
1歩外に歩み出た。
朝より足が早く動いた。
やがてまた世界に流された。
1歩外に歩み出た。
目線に押し出された。
やがて世界が私を置いていった。
1歩外に歩み出た。
世界にふわりと舞い上がった。
やがて線路に堕ちて、轢かれた。
1歩外に歩み出た。
服も、靴も、何も無い場所で、
素足のままで、
世界から逃げて、
やがて引き込まれ、
流されて、
堕ちて、
やがて気づいた。
慣れないことなんか、するんじゃなかった。
君が死んで、
明日は消えてしまって。
君がいなくなって、
夜が終わらなくて。
君が出ていって、
目の前が真っ暗になって。
心配して、
苦しくなって、
痛くて、
泣きたくなって、
吐きたくなって、
でも吐き出せなくて。
ずっと伏せたまま、
ずっと塞いだまま、
ずっと籠ったまま、
帰ってこなかった。
最後に見た君はもう無くて。
今の君はボロボロで。
伏せて、塞いで、籠ったままのこの気持ちは、
もう吐き出すところがなくて。
これが最後だからと吐き出した本音。
「ごめんなさい」
最期に君が見た景色は分からないけど、
後悔に染まった私が君の心に届くことを願った。
でも、
繋いだ手の冷たさは、私の後悔と孤独を深めるばかりだった。