好き、嫌い、
花占いをして、
好き、嫌い、
途中で答えがわかってしまって、
好き、嫌い、
別の花に持ち替える。
好き、嫌い、
また始めて、
好き、嫌い、
またわかってしまって、
好き、嫌い、
また違う花に持ち替える。
何度も繰り返して、でも同じで、
でも諦められなくて、また繰り返す。
何度でも、何度でも、
ようやく気に入った答えを見つけて、
やっと掴んだ自信をつけて、
大好きなあの人に言った言葉は。
「私は、大嫌いです。」
あなたを大好きな私が。とっても。
窓を眺める。
今日は曇天、昨夜の雨で出来た水溜まりも、
今日の薄暗い空を映すだけ。
今週は連日の雨らしい。
梅雨の前線が出しゃばってる。
昨日も、今日も、雨だったはずだけど、
今朝の天気予報は曇りらしい。
今日なら、久々の太陽を見れるかなって思ったけど、
朝も、昼も、夜も、太陽は姿を表さなかった。
海岸に行けば、雲の間から差した光が、
海面に反射してきらきら光る。
それでも、太陽を見ることは無かった。
山には、雲がかかってなかった。
でも、昨夜までの雨のせいで地面が緩んでいるからって、
山には入れなかった。
また 見れなかった。
隣の街は、雲が晴れて少し暑いらしい。
でも、私が行ったとたんにくもり始めた。
結局また 見れなかった。
あの人は、雨女の私も愛してくれた。
あの人は、晴れ男でも、雨男でもないのに。
あの人は、私の心を晴れさせてくれた。
あの人は、私の太陽だった。
あの人に、見せたい。
あなたがいなくても大丈夫って。
あの人に、言いたい。
あなたは私の太陽だって。
あの人に、会いたい。
あなたと一緒に太陽を見たい。
でも、あなたはもう居ない。
だから私はいつまでも、雨女のまま。
枯らしたはずの涙が、涙の跡をなぞる。
ほんの少し。雨の匂いがした。
誰とも、ずっと繋がっている。
あなたとも、あなたとも、
離れても、間に壁があっても。
絶対に、切れない糸が繋がっている。
あなたと近づくと、糸が緩まる。
でも緩んだ糸が地面に着くと、
あなたは離れてしまう。
そんなちょうどいい距離が、
上手く付き合うコツ、なんだろうけど。
糸が見えない私には、分からないや。
届かないのに、貴方を誘って。
届かないのに、貴方を待って。
届かないのに、貴方を想って。
届かないのに、貴方を願った。
今日も、来なかった。
今日も、届かなかった。
あなたはもう居ないから、
あなたの影を追いかける為に、
貴方を待って、今日も生きる。
あなたの元へ行く為に、
今日も明日も貴方を待つ。
私に死別は耐えられない。
病院のベッドに横になっているあなたの前で、
毎日、あなたと写真を撮る。
あなたが病に伏してから撮り始めた、
今まであなたが生きた証。
あなたと生きた、
あなたとの最後の、
あなたの最期の、
記憶の地図。
後日普通に退院した。