彼の手を握る。
「行かないで……あなたがこのまま行ったら、
もう、二度と会えない気がするから……。」
彼は優しくて、しばらくお話をしてくれた。
でも、彼が帰らなきゃいけない時間になって。
これ以上、引き止められなくて。
彼の背中に声をかける。
「帰り道、本当に気をつけてね……。」
彼はわかった。って言ってここを離れた。
数分後、外からスキール音が聞こえ、
その後ガシャーンとなにかにぶつかった音がした。
暴走車が人にぶつかったらしい。
私は嫌な予感がして、外を見る。
当たってしまった。
ぶつかられたのは彼で、彼は血を流して倒れていて、
彼はすぐにこの病院で治療されて、
でも、もう戻ってこなくて。
もし、彼がもう少し早くに帰っていたら。
もし、私が引き止めなければ。
なら、彼を殺したのは……私か。
6/23/2025, 2:01:40 AM