窓を眺める。
今日は曇天、昨夜の雨で出来た水溜まりも、
今日の薄暗い空を映すだけ。
今週は連日の雨らしい。
梅雨の前線が出しゃばってる。
昨日も、今日も、雨だったはずだけど、
今朝の天気予報は曇りらしい。
今日なら、久々の太陽を見れるかなって思ったけど、
朝も、昼も、夜も、太陽は姿を表さなかった。
海岸に行けば、雲の間から差した光が、
海面に反射してきらきら光る。
それでも、太陽を見ることは無かった。
山には、雲がかかってなかった。
でも、昨夜までの雨のせいで地面が緩んでいるからって、
山には入れなかった。
また 見れなかった。
隣の街は、雲が晴れて少し暑いらしい。
でも、私が行ったとたんにくもり始めた。
結局また 見れなかった。
あの人は、雨女の私も愛してくれた。
あの人は、晴れ男でも、雨男でもないのに。
あの人は、私の心を晴れさせてくれた。
あの人は、私の太陽だった。
あの人に、見せたい。
あなたがいなくても大丈夫って。
あの人に、言いたい。
あなたは私の太陽だって。
あの人に、会いたい。
あなたと一緒に太陽を見たい。
でも、あなたはもう居ない。
だから私はいつまでも、雨女のまま。
枯らしたはずの涙が、涙の跡をなぞる。
ほんの少し。雨の匂いがした。
誰とも、ずっと繋がっている。
あなたとも、あなたとも、
離れても、間に壁があっても。
絶対に、切れない糸が繋がっている。
あなたと近づくと、糸が緩まる。
でも緩んだ糸が地面に着くと、
あなたは離れてしまう。
そんなちょうどいい距離が、
上手く付き合うコツ、なんだろうけど。
糸が見えない私には、分からないや。
届かないのに、貴方を誘って。
届かないのに、貴方を待って。
届かないのに、貴方を想って。
届かないのに、貴方を願った。
今日も、来なかった。
今日も、届かなかった。
あなたはもう居ないから、
あなたの影を追いかける為に、
貴方を待って、今日も生きる。
あなたの元へ行く為に、
今日も明日も貴方を待つ。
私に死別は耐えられない。
病院のベッドに横になっているあなたの前で、
毎日、あなたと写真を撮る。
あなたが病に伏してから撮り始めた、
今まであなたが生きた証。
あなたと生きた、
あなたとの最後の、
あなたの最期の、
記憶の地図。
後日普通に退院した。
あなたとお揃いのマグカップ。
付き合って3日目に買った私との思い出。
残された唯一の、思い出。
私が愛したあなたはもういない。
私はあなたのことを愛していたのに、
あなたは私よりもあの子のことが好きらしい。
何が違うの?
口を開けばあの子の事。
私じゃダメなの?
最近は私と外に出ることが無くなった。
何をして欲しいの?私ならなんでもしてあげれるよ?
でも、まるで私なんていないみたい。
写真はもう捨ててしまった。
私の事がいらないなら、私もあなたなんていらない。
最後の思い出を地面に投げ、割った。
後悔した。
あなたはあの子の誘いも断って、私と一緒に居てくれたのに。
私の誕生日を祝うためだけにあの子と居ただけなのに。
本当に嬉しかった。泣いてしまった。
あなたはそれでも優しく言葉をかけてくれた。
こんな私に資格なんてないと思ってたのに、それでも、
あなたは私を、嫉妬を抱えた私を、愛してくれた。
だから私は、あなたを信じて、
どんな事でも、私の為だって信じて愛してみる。
でも、それも永遠じゃなくて。
また、他の子と一緒にいて。
今度は泊まってから帰るって。
なんで?なんで私といてくれないの?
なんで私がいるのにその子といるの?
捨てられる?嫌だ。
あなたが私だけを愛してくれないのなら。
あなたが私を捨てるなら。
捨てられる前に消えちゃおう。
また買ったお揃いのマグカップ。
また地面に投げて割った、マグカップ。
今度は、そのマグカップの破片を
飲み込んだ。
これで、ずっと一緒だね。