海面が上昇してボートの上で生活するようになって10年程が経っただろうか。
日毎に周りにいるボートは減っていって。
気付けば周りにあるのは空のボートだけになってしまった。
どうやら私にも順番が回ってきたようで、海水の影響で今まで太陽エネルギーでなんとか動かしていた電子製品も全て壊れてしまった。
まぁこんな世界で長生きしたほうだ。
あとはのんびりと死を待つだけだ。
ボートの上で仰向けに寝転ぶ。
辺りは暗闇に包まれていて。
空には世界が水没したことによってよく見えるようになった星々と満月が1つ。
何度もボートの上で1人見上げた夜空が何故か、生きることへの執着を辞めると美しく見えて。
その夜空を最後、目に焼き付けて瞼を閉じる。
ゆりかごの様にボートが揺れているのを感じながら眠りについた。
〜「美しい」〜
私は君と歩いているフリをしてる。
一緒に遊んで、笑って。
だけど本当に言いたいことを言えない自分が居て。
1人になって自分の気持ちを全部吐き出したくても、上手く吐き出せずに自分を誤魔化して。
いつか君に全部話したい。
それでも君は笑いながら一緒に歩いてくれるかな‥?
ザーザーと雨が降る図書館からの帰り道。
私の鼓動は雨音が聴こえないほどに高鳴っていた。
学校の前を通り過ぎるとき、校舎の入り口で部活帰りの彼が手ぶらで空を見上げて困ったような表情をしているのを見つけた。
私は数歩ほど道を引き返して予行練習を始める。
『良かったら私の傘に入る?』
よし、大丈夫。
たった一言伝えれば良いだけだ。
彼をじっと見つめながら近づく。
誤って水溜りに思いっきり足を踏み入れてしまったが、そんなことは意識の外だった。
しかし、近づいていると不意に校舎の入り口から私の友人が姿を現した。
彼女は折り畳み傘を彼に見せびらかす様に2本見せつけると、そのうちの1本を彼に手渡して談笑を始めた。
高鳴っていた胸にズキリとした痛みを感じる。
………私にもっと勇気があればなぁ。
ぼやけた視界、水溜りで濡れた靴を見つめて独り、帰り路に着く。
大きな傘の中、大きな秘密には雨が降っていた。
〜傘の中の秘密〜
そっと蝶々を手のひらで包み込む。
指の隙間から見える蝶の羽はキラキラと輝いていて。
それを見ていると、ココロに黒いモヤが渦巻き始める。
私は指の隙間を閉めると、ゆっくりと指に力を入れて。
ゆっくりと蝶々の世界を閉めていく。
絶対に逃してやるものか。
お前の命は私が支配するんだ。
逃げようとするなんて許せない。
気付けば私の指は白くなっていて。
私の両の手のひらはピッタリと、隙間も無いほどに握っていた。
私はハッとして手のひらを開く。
そこには羽が千切れ、ピクリとも動かなくなってしまった蝶々の姿があった。
初めはキラキラしていて、私のモノにしたいと思っただけなのに。
簡単に壊れてしまったその姿に、私は溜め息を溢す。
期待外れだったその残骸を捨てると、また新たなキラキラとしたモノを探すことにした。
このページに辿り着いたあなた!!
少しの時間だけ私とお話ししていきませんか!?
今日のテーマは「まって」ということで、今この文章を読んでいるあなたはもう書きましたか?
自分は思い付きそうに無かったので、こうしてあなたに「まって」を掛けている訳ですが。
あれ?なんだかんだカケていますね??
‥‥涼しくなりましたか?
あ、はい。ごめんなさい‥‥‥‥
普段はこういうこと書いて無いんですよ?
いやいや、本当ですって。
下にある名前を押して今までの作品を読みに行って下さっても良いんですよ?(見に行ってくれたらなんでもします!たぶん。)
あ、でも読み始める前にお気に入りマークをポチっと押して下さると私のモチベに繋がるので是非お願いしたいですねぇ。
気付いたらもうこんなに書いちゃったのですか。
この様な文章を長々と読ませる訳にはいかないので、そろそろ終わることにしますね!
あなたの今日が幸せでありますように。