「あんたにとっては、生きやすくも生きにくくもあった世界だったんだ?」
ああ、今、この世界で息をしていることが、息ができることが、とても心地いい。
この地に、広大な草原に、仲間に、全てに、
感謝を伝えたい。
地上よりも動きにくい深海の水中で、私は自由に舞う。
踠いてもどうにもならない。
地上での生活は飽きた。
真っ逆さまにおちゆく私は、かつての故人に聞こえない独り言を返事する。
「ああ…そうだったみたいだな。」
_2023.12.6「逆さま」
真っ直ぐな人生って存在するのでしょうか。
いいえ、きっと存在しないでしょう。
何より、基準が示されていないのですから。
夢 現実
「偽物でもそれは本物の愛だったんだ」
最初に母親と会ったとき、俺は感動の再会にもかかわらず、泣きも笑いもしなかった。
溢れたのは呆れに近い放心状態。
なんとなく、気づいていた。
それに気付きたくなくて、見たくなくて、知りたくなかった。
だってそれは「夢」だったから。
それに気付いて、見て、知ったら。
俺の知りたくなかった「現実」を見せられる。
俺にとっては「夢」でも、あの母親からしたら「現実」なのか。ああくそ、……。
その時だけ、
いっそ偽物か本物、どちらかに染まりきっていて欲しかった。
「ああ、こんなにも大きく育ってくれて…」
「君の母親は、君を本当に愛していたよ」
声も顔も全部同じなのに。
_2023.12.4「夢と現実」
AIと生身の人間かどうかで、こんなにも違う。
「さよならは言ってあげないから!」
君の姉が最後にそう言って、3ヶ月近く経つのか。
まだ君に会えないことにもどかしさを感じる。早く会いたいという衝動に駆られる。
理由はわからない。
君が心配だ。
強いて見つけるなら、この理由しか思いつかない。
君が自分に、最後に言った言葉は何だっけ。
ああ、そうだ。
自分のようになりたかった、みたいな内容。
憧れてくれて、嬉しくもあった。
でもそんなものより、心配だった。
次、会った時は、「さよなら」なんて言わないでね。
強さなんかよりも、自分は君と会えることを、嬉しく思っているよ。
____くん。
_2023.12.3「さよならは言わないで」
一つ前、昨日のお題の話も見てくださるといいかも。
なんでも持ってるぜ☆系主人公とそのせいで出来上がった闇堕ちライバル。最高。
pkです。
「何でも持ってる物語の主人公みたいだな」
おれは嫉妬と悲哀を込めてそう言い放った。
分かってる。解ってる。判ってる。
あいつがおれより強いのも、
友達だって言ってくれたのも、
おれから奪ったものも、
全部。
あいつみたく強ければ、あの神だっておれについて来てくれたかもしれないのに。
主人公の持つ不思議な力がおれにもあれば、
おれにも、
あれば…
恨んだ。憎んだ。妬んだ。大嫌いになった。
「全部君のせいだよ」
憧れた。愛しかった。羨んだ。好きだった。
「もっと…強くならないと」
ああ、もう、
強くて優しくて光のような勇敢な君に惹かれた自分がいた。
同時に、強く闇のように嫉妬した自分がいた。
自分の感情がぐちゃぐちゃになった。
悲しくて、悔しくて、苛立って…。
誰に向けていい感情なのかわからなかった。
感情のやり場が無くて全ての根源である君にぶつけた。
それなのに、
それなのに…
おれの全部をさらりと受けとめてしまう君はやっぱり、おれなんかに構う勝負なんて…。
…………。
…………………。
待っててな…………。
_2023.12.2「光と闇の狭間で」
今日やっとpk進められたんですが、苦しい…………。
「………何が?」
ヒョエッ
「好きだよ。君が。」
突然の告白。屋上で風に吹かれて置き去りになった自分は、戸惑ううちにいなくなったあの子を気にしながら教室へ戻った。
後日、あの子と帰ることになった。チャンスだ、と屋上でのことを聞いてみた。
「友達だと思ってた…告白も、嘘かと」
「嘘じゃない、こんな大事な告白そんなふうにかき消されちゃいやだよ。返事はまだ?」
「…あ、ありがとう」
「…これから、よろしくね」
「はいよろしくお願いします」
「え、そんなにかたくならないで?距離感近めでいこうよ」
「はい」
「まだ遠いよ〜」
「じゃ、じゃあ…____、よろしくね」
「……そう呼んでくれてうれしい。___。」
「自分との距離は近いままでいていて欲しいよ。」
_2023.12.1「距離」
いつもハートを押してくれている方たち、ありがとうございます。
私との距離も近いままでいてほしいな。
ごめんなさい。
恋愛がどんどん多様化していけば、愛の形もどんどん増えて、世界ってそれで作られるんだろうな、なんて思いながら製作しました。