汚水 藻野

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12/6/2023, 1:59:40 PM

「あんたにとっては、生きやすくも生きにくくもあった世界だったんだ?」

ああ、今、この世界で息をしていることが、息ができることが、とても心地いい。
この地に、広大な草原に、仲間に、全てに、
感謝を伝えたい。

地上よりも動きにくい深海の水中で、私は自由に舞う。
踠いてもどうにもならない。

地上での生活は飽きた。


真っ逆さまにおちゆく私は、かつての故人に聞こえない独り言を返事する。
「ああ…そうだったみたいだな。」

_2023.12.6「逆さま」

真っ直ぐな人生って存在するのでしょうか。
いいえ、きっと存在しないでしょう。
何より、基準が示されていないのですから。

12/4/2023, 11:44:46 AM

夢 現実
「偽物でもそれは本物の愛だったんだ」

最初に母親と会ったとき、俺は感動の再会にもかかわらず、泣きも笑いもしなかった。
溢れたのは呆れに近い放心状態。

なんとなく、気づいていた。

それに気付きたくなくて、見たくなくて、知りたくなかった。
だってそれは「夢」だったから。

それに気付いて、見て、知ったら。
俺の知りたくなかった「現実」を見せられる。

俺にとっては「夢」でも、あの母親からしたら「現実」なのか。ああくそ、……。

その時だけ、

いっそ偽物か本物、どちらかに染まりきっていて欲しかった。

「ああ、こんなにも大きく育ってくれて…」

「君の母親は、君を本当に愛していたよ」

声も顔も全部同じなのに。

_2023.12.4「夢と現実」

AIと生身の人間かどうかで、こんなにも違う。

12/3/2023, 2:20:46 PM

「さよならは言ってあげないから!」

君の姉が最後にそう言って、3ヶ月近く経つのか。

まだ君に会えないことにもどかしさを感じる。早く会いたいという衝動に駆られる。
理由はわからない。

君が心配だ。

強いて見つけるなら、この理由しか思いつかない。

君が自分に、最後に言った言葉は何だっけ。

ああ、そうだ。
自分のようになりたかった、みたいな内容。

憧れてくれて、嬉しくもあった。
でもそんなものより、心配だった。

次、会った時は、「さよなら」なんて言わないでね。
強さなんかよりも、自分は君と会えることを、嬉しく思っているよ。

____くん。

_2023.12.3「さよならは言わないで」

一つ前、昨日のお題の話も見てくださるといいかも。
なんでも持ってるぜ☆系主人公とそのせいで出来上がった闇堕ちライバル。最高。
pkです。

12/2/2023, 2:27:43 PM

「何でも持ってる物語の主人公みたいだな」

おれは嫉妬と悲哀を込めてそう言い放った。

分かってる。解ってる。判ってる。

あいつがおれより強いのも、
友達だって言ってくれたのも、
おれから奪ったものも、
全部。

あいつみたく強ければ、あの神だっておれについて来てくれたかもしれないのに。
主人公の持つ不思議な力がおれにもあれば、

おれにも、

あれば…

恨んだ。憎んだ。妬んだ。大嫌いになった。
「全部君のせいだよ」
憧れた。愛しかった。羨んだ。好きだった。
「もっと…強くならないと」

ああ、もう、
強くて優しくて光のような勇敢な君に惹かれた自分がいた。
同時に、強く闇のように嫉妬した自分がいた。

自分の感情がぐちゃぐちゃになった。
悲しくて、悔しくて、苛立って…。

誰に向けていい感情なのかわからなかった。
感情のやり場が無くて全ての根源である君にぶつけた。
それなのに、

それなのに…

おれの全部をさらりと受けとめてしまう君はやっぱり、おれなんかに構う勝負なんて…。

…………。

…………………。


待っててな…………。

_2023.12.2「光と闇の狭間で」

今日やっとpk進められたんですが、苦しい…………。

「………何が?」

ヒョエッ

12/1/2023, 10:52:53 AM

「好きだよ。君が。」

突然の告白。屋上で風に吹かれて置き去りになった自分は、戸惑ううちにいなくなったあの子を気にしながら教室へ戻った。

後日、あの子と帰ることになった。チャンスだ、と屋上でのことを聞いてみた。

「友達だと思ってた…告白も、嘘かと」
「嘘じゃない、こんな大事な告白そんなふうにかき消されちゃいやだよ。返事はまだ?」
「…あ、ありがとう」
「…これから、よろしくね」
「はいよろしくお願いします」
「え、そんなにかたくならないで?距離感近めでいこうよ」
「はい」
「まだ遠いよ〜」
「じゃ、じゃあ…____、よろしくね」
「……そう呼んでくれてうれしい。___。」

「自分との距離は近いままでいていて欲しいよ。」

_2023.12.1「距離」

いつもハートを押してくれている方たち、ありがとうございます。
私との距離も近いままでいてほしいな。

ごめんなさい。

恋愛がどんどん多様化していけば、愛の形もどんどん増えて、世界ってそれで作られるんだろうな、なんて思いながら製作しました。

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