自分を写すもの
昔そんな話題で、考えさせられた
其の時、彼はこう言った
「字じゃないかなぁ」と
其の時、でも私は、違うと思ったの
「いや鏡でしょ、どう考えたって」
「ん〜?まあ確かにそうだね
でも、字ってどの人が書いたのかなんとなく雰囲気でわかるもんだよ?
丁寧な字、乱暴な字、かわいい字
人の癖とかも、その人の書いた字が、その人を写してない?」
「貴方の考える『写すもの』といえば?」
私は「鏡」
彼は「字」
どう思考するか、それすらも鏡に写されてる気がした
_2023.8.18「鏡」
もひとつどうぞ
「自分の顔直で見れねぇのマジ腹立つんですけど〜」
「いやまあ確かにな、分かるけどな、…テッテレテッテテ〜!カガミ〜!」
「いやうちカガミ嫌いなんだがwウケるw」
「え嘘なんで?」
「だってぇーなんかー、自分の汚いとこ嫌でも見せられるじゃーん」
「あーね。それはガチ共感。でも仕方なくね?汚いとこ含めて、ああっ!自分って、なんてキレイ〜〜!!なのっ!? って思わないと」
「ちょ、鼻水飛んだw w」
はぁ…たった一人だけの友達と、憧れを真似したくて、ライン使ってるんだけど、
…わたし、インキャだしなぁ〜
それに付き合ってくれてる友達には申し訳ないよ
あ、どうも、ギャルになりたい高校生です
_2023.8.18「鏡」
君はいつも僕と同じ時を過ごしてくれたね。
僕は君といる時が今までで一番楽しかったんだ、心の底から笑えてる気がしてさ。
これからもずっと、一緒にいてくれたら嬉しい。
…あー、捨てらんねぇな…
…Switch。(しかも使い古したヤツ。まだ使える。)
※注意!物を大事にするのはいいことだよ!
_2023.8.17「いつまでも捨てられないもの」
「海はね、必ずあなたを守るから」
「海に行くなら、夜に来なさい」
「昼や夕方もいいけれど、夜も意外と綺麗なのよ、"夜の海"っていってね」
「一度でいいから、あなたの目でしっかり見てみなさい」
俺の母親はそう言って死んだ。
母の言った"夜の海"が気になって、沿岸に呼ばれているように足が進む。
着いた。これが"夜の海"か。
綺麗だな。昼や夕方も良いけど、俺は夜のほうが好きかもしれない。
人一人おらず、夜空に瞬く数えきれない星。
今日は満月か。真っ暗な世界に、月明かりがほどよく照らす。
これのことか。母の言っていた意味とは。
海のように寛大な母、なんて言うが、
確かに「必ず守ってくれる」気がするな。
_2023.8.15「夜の海」
「私ね、今どうしても欲しいものがあるの」
ぼくの彼女がそう言う。少し微笑みながら、ぼくは聞いた。
「なんだい?それは」
「ふふふ、私が今一番欲しい物はね…」
こういう時、こう返ってくるだろうに違いない…
"あなたのことよ"
ああ、かわいいな。
ちょっと赤くなりながら、はずかしそうに笑って言う姿が容易に想像できる。
途端、視界が転落する。
「あなたのイノチよ」
さいごに聞こえたのは、興奮した微笑みに満ちて言い放った、彼女のこの言葉だった。
ぼくは意識を失った。
「私、実は始末屋なの。今一番欲しい物はあなたのイノチだったから、もらっちゃった。
…あ、もう聞こえてないよね、ごめんね?」
_2023.7.21「今一番欲しい物」
「約束通りやったわよ、藤井君」
「ありがとね。…さて、次は……」
私の名前は私自身比較的珍しい名前だと思っていました。
全校生徒が多かった小学校に通っていたのですが、一学年は大体百二十人とか百三十人でした。
そんな中でも私と名前がかぶる人はいなかったし、名前を聞かれるときは、珍しいのか、一度「もう一回、いい?」と必ずと言っていいほど言われます。
そんな私が、中学校に入学すると、
「え?おんなじ名前の人!?やば!!」
なんと私の名前と読みが同じの子がいたのです。私も驚きました。
その子のことをなんと呼べばいいのか迷いました。なんだか、自分ではない人の同じ名前を呼ぶのは変な気分でしたので。
先生は下の名前でさん付けをする先生でしたので、「(名前)さん」と呼ばれると、二人で、
「どっち…!?そっち…!?」
なんて息ぴったりに言うこともありました。
今では理解ある良き友人です。
名前が引き起こした一つの奇跡でした。
_2023.7.20「私の名前」