「あ
ねこや
かわええな」
彼女の視線の先には、黒い黒い、もはや黒曜石のような色をした真っ黒なねこがいました。
「どれ?
ほんとだ
かわいいな
きみみたいだ」
「ちょいまち
…はずかし」
その時の彼女の顔はかわいいもので、顔が真…おっと、これ以上は僕が彼女に殴られるのでやめておきましょう。
真っ黒なねこが引き起こした小さな小さな出来事でした。
_2023.7.19「視線の先には」
この世界には、僕だけが感じる変なことが起きている。
それは、僕だけが感じている違和感かもしれないが、もしかしたら、他にもこの違和感に気づいている人もいるんじゃないかな。いてほしいな。
この汚くも美しい世界は、今のままでいいんだろうか。
僕はそれを変えたいと思う、と思う。
きみはどうかな。
_2023.7.18「私だけ」?
遠い日とは言っても、その日はいつかはやってくる。これは確定だよ。
でも、いつかとはいっても、本当に五日かもしれないし、自分が死んでからかもしれない。
だから、僕たちはその遠い遠いいつかその日にあえるまで、前を進むしかない。
でもときどき疲れちゃって足を止めることもある。
大事なのは、後ろに引かないこと。
後ろに引いたら、「もうそれでいいや」って思っちゃうかもでしょ。そうしたら、どこにも昨日の自分と比べる今日の自分に変化はないし、それが続けばずっと進化しないまま、新しい何かを求め続けないまま、てことになっちゃう。
止まっても後ろに引くな、前を行け
そうして僕たちはまた一つ歩んでいくのさ。
_2023.7.17「遠い日の記憶」
この間までの大雨が嘘みたいだ。
ていうか暑いな。なんで今日こんなに暑いんだ。なんでだよ。
あ〜あ、せっかく頑張ってこんなにおしゃれしてきたのに、汗で台無しになるじゃん。まあ別にいいけどさ、恋人待ちとかではないし。
それはそうと、こんな日にはキンキンに冷えたアイスが食べたいなあ〜。
……あ、あそこコンビニだ。買うか。
ん〜っ!おいしいっ!
甘くて冷たくて、風鈴の音色が聴きたくなる。
あ、
そら、あおくてきれいだな。
_2023.7.16「空を見上げて心に浮かんだこと」
心に浮かんだことは別に詳しく言わなくてもいいと思う。単純でいいんです。俺はそう思う。
「もう、こんな関係、終わりにしよう」
そう告げた彼。私は呆然としていた。
「…こんな中途半端な関係は、もう終わりにする。
ボクは記憶を無くした、それは揺るがない事実だ。"ボク"はキミと恋人同士だったようだね。
最初は、記憶を無くしたボクに、キミが、恋人同士だ、って必死に言ってくるもんだから、信じたよ。でもボクにキミと笑い合った記憶はなかった。
"ボク"はキミのことを好きだったんだろ。だから好きになろうとした。努力したんだ。
………
だから、終わりにしよう。この関係を。」
涙が流れ出そうなのをこらえて、彼をしっかり見つめる。
「ボクは見事にキミを好きになった。記憶のあったボクも、無いボクも、絶対キミを好きになっていたよ。
ボクと付き合ってほしい。
…だめかな。」
「もちろんに決まってるわよ…っ」
私はこらえきれなかった涙を流しながら、彼に抱きついた。
_2023.7.14「終わりにしよう」