《最期に浮かぶ顔》
(刀剣乱舞/ 誰でも)
『パキッ..._____』
己の本体にヒビが入る音がした。
傷だらけボロボロの重傷なのに、己を過信して進軍をした結果がこれだった。
ヒビは広がり、軽やかに折れる音がした。
それは余りに軽すぎる己自身の命の音。
途切れゆく意識の中、脳裏に浮かぶのは審神者と本丸のみんなの顔。
(あぁ...もう、会えないんだ....)
後悔ばかりが浮かぶ中、意識は闇の中に吸い込まれた。
《叫ぶ声、届かぬまま》
(刀剣乱舞/長曽祢虎徹)
「この刀は"虎徹"ですよ」
その言葉に、その刀に宿る付喪神は目を見開いた。
「おぉ、これがあの虎徹か!」
自分を手にする男の目は輝く。
それに反し、自分は焦るばかり。
「違う!!ソレは虎徹ではない!!」
声が枯れるほど叫んだ。
「俺は、源清麿の刀だ!!長曽祢虎徹ではない!」
それは"源清麿"から"長曽祢虎徹"と呼ばれるようになった始まりの日。
新撰組、近藤勇の愛刀として振るわれた一振の刀の物語
《いつもの始まりを常に》
(刀剣乱舞/浦島虎徹)
「おはよう」
毎朝必ずあるじさんがみんなを集めて行う朝礼。
そこで今日の出陣先だとか内番の事とかを聞く。
その時にあるじさんがする「おはよう」の言葉が好きなんだ。
今日も、明日も。この声を聞いていたいなって思うから。
気合い入っちゃうだろ?
朝の始まりの挨拶が、これからも続けられるように。
この本丸も、あるじさんも俺が守りたいよね。
《刀の眼差し》
(刀剣乱舞/堀川国広)
普段は温厚な堀川国広も、戦となれば刀らしい顔つきになる。
その眼差しは鋭く、研ぎ澄まされた刃のような冷たい目。
鬼の副長・土方歳三の脇差もまた、鬼のような恐ろしい顔をする。
《心が踊る》
(刀剣乱舞/山伏国広)
戦場を駆け抜ける日々。
そんな中でも、山伏は時々山に篭もり、己を鍛える事が多い。
人の姿を得たからこそ出来ること。
付喪神だった頃には出来なかったことが出来ることに、心が踊り、喜んだ。
「刀工・國廣の見た景色も、このようなものであったのだろうな」
山から見える景色の美しさも、触れる自然の豊かさも。
その全てに心が踊り、血が沸き立つ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
作者より
誠に勝手ながら、本日をもって日々の更新を辞めさせて頂きます。
今後は可能であれば更新しますが、辞める可能性もありますのでご了承ください。