私の友達は私と正反対の人。
明るくて、誰とでも仲良くなれて、勉強も運動もそれなりに出来て、美人で優しい子。
『なんでこの子は私と仲良くしてくれるのかな』
なんて思ったことが何度もある。
クラスの人気者、って感じで眩しかった。
隣にいるだけでその眩しさに目が眩んでしまう。
けれど、私はあの子に憧れることは無かった。
憧れたところであの子にはなれない。
あの子の友達で居られるだけでいいと思うから。
友達に連れられて行ったアイドルのライブ。
なんの興味もなかったけれど、幕が開くと一気に非現実的な光と音の世界に包み込まれた。
ステージに立つアイドルの姿はずっと眩しくて、同じ世界に生きる人とは思えないほど輝いていた。
あの日見たライブの輝きが。あの景色が。
私は今も忘れられない。
たった一つだけ、願いが叶うのならば何を願おう?
あれが欲しい、これが欲しいと強欲なお願いはしたくなくて。
ただ、明日もその先も今日と変わらない世界で笑って、怒って、泣いて、悩んで生きていたいと思った。
でも、もしその日々の中に。その日々の隣にあの人がいてくれたらなんて素敵だろう、なんて考えてしまって。
『君の隣にずっといられますように』
そんなお願い事、叶えられたらな。
ふと、『このままどこか遠くに行きたい』と思うことがある。
電車で出来るだけ遠くまで行きたい、とか。
都会の喧騒を忘れて、地方の静かな土地に行きたいとか。
1人になるには、今の私にはそのくらいのことをしないと難しい。
君みたいになりたくて、君の背中を追いかけた。
君の隣に立つにふさわしい人になりたくて沢山努力を重ねてきた。
だけど、追いついたと思っても君はまたずっと先を走っていた。
「まだ届かない」と悔しい反面、「もっと頑張ろう」って自分を鼓舞してる。
だから、いつか君に追いついたら隣に立たせてね。