もしも時を止められるなら、もう二度と進めたくない。
永遠に《今》を続けていたい。
枯れることなく、朽ちることなく、今の幸せをずっと続けていたい。
けれどそんなことは出来ないからこそ今を懸命に生き、最期は笑ってお別れをしたい。
「私はどうして生まれたんだろう?」
挫折を味わった時、悲しみに打ちひしがれたとき。
絶望を味わった時。
何度も自己嫌悪し、何度も生まれた意味を問いかけた。
未だに答えは出ない。きっとそれは永遠に。死ぬまで。
だけど、私なんかを好いて人生を共に歩みたいと思ってくれた人が現れた時、この上ない幸せを感じた。
「きっと、ただ幸せになるため生まれてきた」
もしかしたら答えかもしれない。
でも違うかもしれない。
だから私は最期まで問い続けて、その度に変わる答えを出し続けて生きていく
私のそれまでの世界はモノクロのようなつまらない世界だった。
何を食べても、何を見ても楽しく思えなくて。
ただ今日という一日の時間を過ごすだけ。
だけど変わってしまった。出会ってしまった。
運命といえば聞こえがいいけれど、心から応援したい。その姿を目に焼き付けたいと思える存在に出会った。
それは世界が色付くようなものだった。
誰かを想うことの愛おしさも、大切さも知った。
ずっとずっとこの人を追いかけたいと願った。
「また明日」
「また会おうね」
「また今度遊ぼうね」
さよならじゃなくて再会の約束の言葉。
今日よりも楽しい『次』になるといいな
私の友達は私と正反対の人。
明るくて、誰とでも仲良くなれて、勉強も運動もそれなりに出来て、美人で優しい子。
『なんでこの子は私と仲良くしてくれるのかな』
なんて思ったことが何度もある。
クラスの人気者、って感じで眩しかった。
隣にいるだけでその眩しさに目が眩んでしまう。
けれど、私はあの子に憧れることは無かった。
憧れたところであの子にはなれない。
あの子の友達で居られるだけでいいと思うから。