《息抜きは甘味と共に》
(刀剣乱舞/陸奥守吉行)
「疲れちゅう時には、この甘さがたまらんのぉ~」
ここ最近、大阪城地下への出陣が続いたせいで
陸奥守は久しぶりの休息が取れた。
一口団子を貰って、一息つくと、ドッと疲れが襲う。
小判集めと練度上げを兼ねてるとはいえ、お天道様が見えない地下で延々と戦うのは少々堪える。
とはいえ弱音も言えないので、もう少し休んでから
またあの地下で刃を振るう事となることは
陸奥守も分かっているのだ。
《込める力、振るう力》
(刀剣乱舞/和泉守兼定)
「そらよ!」
力を込め、刀を振り、敵を斬る。
かつての主が自分を振るったように、今は自分が自分を振るう。
守るべきもののため、その使命を果たす為。
和泉守は今日も浅葱色の羽織をたなびかせ、戦場を駆け抜ける。
《過去を想う》
(刀剣乱舞/歌仙兼定)
「就任九周年おめでとう。一年一年、あるいは一日一日ごとに素敵な景色に出会えたかな。それをこれからも大切にしてほしいな」
めでたく審神者就任九周年を迎えた本丸。
初期刀として始まりから見守り、共に歩んできた歌仙兼定にとっては、長いようで短く思える九年だった。
最初に審神者と会った時は、血を見るのも怖がっていたので、正直、先が思いやられた。
けれど、使命を果たすべく励む姿は日に日に頼もしくなり、今では百を超える刀剣男士を束ねる主となった。
「戦の血なまぐささに怯えてたのが懐かしいものだね」
その言葉に審神者は「忘れて欲しいんだけどな」と笑う。
《輝く一等星》
(刀剣乱舞/大和守安定)
冬の寒さが厳しい夜。
ふと夜空を見上げると、輝く星々がよく見えた。
「あ、冬の大三角」
一際輝く三つの星が見える。
あれを冬の大三角と呼ぶのだと審神者に教えてもらってから、冬になると夜空を見上げることが増えた。
こんなに眩しく光るあの星々は何光年という遠い場所にある。
「沖田くんも、あんな遠いところにいるのかなぁ....」
もしいるのなら、どうか僕らを見守っていて欲しい
《共に踊りましょう》
(刀剣乱舞/加州清光)
「今の世界が幸せとか不幸とか分かんないけど、例え地獄のような日々だったとしても、俺はその地獄の業火の上で踊ってやるんだよ」
加州はそう言うといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
例えこの戦いに終わりなくても、心が折れるくらいなら
いっそ笑い飛ばして地獄の中で踊ってやるのだと。
「あるじは一緒に踊ってくれる?」
血のような赤い瞳に微笑まれ、審神者は何と答えたか。
貴方なら、なんと答えましたか?