サチョッチ

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7/2/2023, 2:35:02 PM

日差しの監視を掻い潜りながら、肌を癒やすチャージポイントを求めてゲートを潜る。自動ドアが開く瞬間は天国への扉を開けたかのような安堵と開放感。灼熱に炙られた魂が人工の冷風で赦しを得る。体の芯まで染み込む爽快が全身の細胞を解きほぐしていく。汗とともに纏わりついた熱が引き剥がされたら、もうあの巨大な業火の瞳の下へは戻れない。

7/1/2023, 2:13:08 PM

窓越しに見えるのは実感のない世界
私がいつも当たり前だと思っている世界に
私は「不適合」と思われている

6/30/2023, 1:51:53 PM

娘が一人、ベッドで寝息を立てている。更けきった夜の闇に仄かに灯るぼんぼりの明かりが、室内をぼんやりと照らし出す。ベッドの傍ら、カーペットに腰を下ろす男が居た。男は娘を見上げながら、頬杖を付いて娘を眺めている。ベッドのかけ布団の下から、赤い紐状のものが伸びている。それは時折微かに蠢いている。そして何よりその赤い紐は、今まさに娘の傍に居座っている男の背に繋がっているのだ。

数分前、男はこっそり娘の部屋に忍び込んだ。娘が既に眠っていることを見越した上で、男は息を殺して娘の寝床に近寄った。そして、身を屈めて娘の寝顔を確認すると、男はそっと立ち膝になり、後身頃の下から音もなく赤い触手を伸ばし始めた。男にはある時から不思議な能力が備わっていた。それは、触手を使って相手の身体から「ホルモン」を吸い取るというものだった。ホルモンとはもちろん、人間の体内で作られる分泌成分だが、それは謂わば「若さのエネルギー」そのものである。 男はそれを他人から吸い取ることでいくらかの若さを補充出来るのである。とはいえ男自身はそこまで若さに執着があるわけではなく、誰彼見境なく若さを奪い取るようなこともしない。あくまでも彼がホルモンを分けて貰うとすれば、気に入った女性からほんの少し齧る程度である。そしてそれは女性の比較的敏感なところの方が吸い出しやすい。

男は娘を特別好いているわけではなかったが、自身に心を許してくれる最も身近な存在であった。
男の触手がベッドの中に侵入し、娘の下着の内側に入り込んだとき、触手はゆっくりと娘の身体を這いずって胸の上に乗った。娘の胸はほとんど膨らみが無く、乳首は沈んでいた。男は少しため息をつきながら、触手の先で軽く乳首をつついたり撫でたりした。やがて乳首が起き上がり、触手の先が花開くと、そっと乳首を包み込んだ。時間をかけて少しずつ、じっくりと娘の「女の素」を吸い取る。それからしばらくの間、男の触手は娘のホルモンを少しばかり頂戴していた。娘はこの頃感情の起伏が激しいことが多々あり、それがホルモンの分泌によるものだと知った男は、どうせならと娘の溢れ出るホルモンを余分な分だけ貰ってしまおうと思い付いたのだった。娘は気づかずすやすやと眠っている。男はそんな娘の寝顔を傍で眺めながら、自身の身体に流れ込む温かなものを感じていた。

#赤い糸

6/29/2023, 3:32:58 PM

季節外れのサンタクロースの髭。とぐろを巻いた蛇。人の顔の塊。ウール。飛び込みたい衝動。夏空の親分。土砂降りの傘下。照り光る厚い白。破った青いキャンバス。澄んだ青い皮の裂け目からはみ出た綿。

決まりのない形が脳を遊ばせる。
心理を弄ぶ自然現象。

#入道雲

6/28/2023, 1:55:50 PM

吸血鬼の肩身が狭くなる季節。
いつだったか日曜日のヒロインが、「太陽は人を傷つけるものではない」と断言していたが、今やそれも全く響いてこない。親の仇とでも思わなければこうはならないだろうと疑いたくなるような、無慈悲な火の玉が迫ってくる。ただ生きているだけでも命の危険が引き起こされる、最も攻撃的な試練の季節。

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