※三次元(くじらのひとの黒迷さん)注意
※BLではありません
『言いたい事はなんでも言い合う』
小杉と組む前のコンビでは、これが出来ずにお互い限界が訪れた。ボヤの内に消せば大火事にはならない。
このルールがあっても仕事をセーブしたい事を言えないくて、結局大火事にしてしまったのは数年前の事……。
『先に結婚した方が三千万円払う』
コンビ結成後間もなく、結婚したらこいつ芸人に見切りを付けそうだと猜疑が生まれた。
たぶん小杉が俺を頭のおかしい奴だと思い始めたのはここからだ。
結婚しても辞めそうな気配はなかったから、結局うやむやになった。
『収録後は楽屋で反省会』
これをやってると話すと、だいたいの芸人は驚く。お前らもやれとは勧めない、けどこれが俺らのやり方。
MCの番組ではほとんど行う。あの時の言葉選びはもう少しなにかあったんじゃないか、ゲストをもっと目立たせる事が出来たんじゃないか。そんな事を話し合う。
『小ボケ・中ボケ・大ボケの流れを守る』
芸人としての基礎。あいつは全然守らない。お前はNSCでなにを学んだんや。
『月一は漫才の舞台に立つ』
あの大火事の後、『漫才というしっかりした基盤と還る場所があれば、テレビでも恐れず喋って行ける』と小杉に話した。小杉は納得してくれて、なんとか消火は果たされた。
それ以来、月一でNGKでの舞台をマネージャーに頼んで入れて貰っている。
トリを任せて貰うという夢は叶ったが、看板を背負うにはまだまだ足りない。でも、ネタ中のボケやツッコミではなく、登場時の歓声が一番デカかった俺らはもう居ない。
『一生コンビ』
一緒に漫才してくれよ。一生そのアホ面、側で見せながらな。
(おわり)
※二次創作
※SB69よりチタレン
磁器のような綺麗な肌へ涙が伝う。
拭おうと手を伸ばすと、憎々しい睨みと共に振り払われた。
直後にぶつかる勢いで抱き付かれる。腰に回された腕は、側に居て欲しいと叫んでいた。
(おわり)
※二次創作
※SB69よりヤスほわ
曲がサビに入り、熱血を感じさせる彼の声の勢いが増す。
揺れる紺色の髪の一本一本すら、彼女を世界観へのめり込ませる切欠となる。
彼女は聴衆の中、着ている服の黄色いリボンの前で両手をぎゅっと握った。
彼の鋭い目付きの中に見える実直な感情が、歌を通じて胸の中の大切な部分へ入り込む。心臓もビートへ乗るように早まって行く。
不思議と熱いなにかを貰えるんだ、彼の紡ぐ歌からは。
たとえこの恋が間違っていたとしても、彼を、彼の歌を愛した事に、一生後悔はしない――。
(おわり)
その綺麗な雫を涙じゃないよと言い張る君。
ずっとむかしのオルゴール、
直せば笑ってくれるかな?
※二次創作
※ワルロゼ(ワルイージ×ロゼッタ)
「ごめんなさい……」
何もいらないなんて自分には言えない。
彼に片思いをし、いつまでも共にありたいとは願っている。しかし大切な家族である子供たちや星の民に背を向けて過ごす事も出来ない。
ヘブンズドアギャラクシーでの散策中。湧き上がる申し訳なさを感じつつ、リップの乾きかけた唇から謝罪の言葉が悄然と流れ出る。
視線の先の彼の背中はそれをどう受け止めただろうか。
確かめようにも訊いた先に失望があったらと思うと、未来に怯えて尋ねられない。
彼の足が動き、こちらへ振り返る。
「良いじゃねえか、姫さんだって欲張りになっても!」
普段の意地の悪い笑みではなく、明るくニッと笑う顔を見て運命の矢が胸に突き刺さる。
恋の音――だと思った。
何処からともなくやって来たイタズラ者のチコに帽子を上から取られた彼は『返しやがれー』と血相を変えて追い掛ける。
遠ざかる姿を眺め、消化するには大き過ぎる想いを表すように、胸の前で両手をきゅっと握った。
「そうですね。皆が大切で、良いのよね……」
柔らかい風が植物を揺らし、爽やかな音を立てる。
より彼を好きになった彼女は、風の中で柔和に口元を緩めて笑った。
(おわり)