しずく

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1/29/2025, 12:57:31 PM

「俺はね、日向くんの日陰。 
 頑張ってる日向くんが日向くんでいられる場所。
 だからね、何かあったら、俺を頼ってほしい」
 僕から見たら陽中の陽の彼が大真面目に言うもんだから、思わず笑みが溢れてしまった。


日陰 #174

1/26/2025, 1:16:56 PM

「ただいまぁ…」
 からからと、背後でドアが開く音がした。
 ん?と振り返ったときにはすでに時遅し。
「っ、わぁ! ご、ごめんっ!」 
 顔を一瞬にして真っ赤にして、開ける時の何倍ものスピードで脱衣場のドアを閉めた、俺の弟。
 髪から滴る熱い雫をタオルで拭う。
 脱衣場の鏡を見て数秒。
 事態を呑み込んだ俺は、声を殺してくすくすと笑うのだった。 


わぁ! #173
(わぁ…、やることが山積みだぁ…(現実逃避中))

1/25/2025, 11:20:20 AM

「死ぬまで一緒にいようね」

「…なにいってるの。死んでも一緒、でしょ?」


終わらない物語 #172

1/25/2025, 2:12:10 AM

「…きらい。だいっきらい」
 涙交じりの声のまま、ぎゅっと抱きつく力が強くなる。
 こんなの本心じゃないってきっと伝わってしまっている。
 こういうことがいいたいわけではないのに。
「…うん。…それと、今日もなにもなかった、だから安心してほしいな」
 そっと降ってきた彼の声にすこし顔をあげる。
「…ほんと?なんもなかった?」
「うん、奏音が心配するようなことはないよ」
 温かい彼の胸に顔をうずくめる。
 彼が俺の背中に回した腕のなか、ぐしゃと潰される手紙があるなんて知る由もなかった。


やさしい嘘 #171
(易しい嘘と優しい嘘…なんつって)

1/22/2025, 2:02:00 PM

さとう菓子のように甘くて脆い、あの時間を
よるの孤独に思い出す。
なんであの日、ちゃんと渡さなかったのだろう。あれが
らすとになるなんて知らなかったんだよ。


あなたへの贈り物 #170

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