抱負……負を抱える…?
考えていたら分からなくなったので辞書引いてみると。
抱負とはこころのなかに秘めた計画とか志望のことらしい。
んー…完璧主義をどうにかすることかな。今のところ。
─今年の抱負─ #158
「新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。先輩結婚してください」
「ああ、あけおめ。ことよろ。結婚はしない」
「なんでですか!」
こえぇ。思わず心のなかで呟く。
ばっと突っかかってきた会社の後輩を軽くあしらって、元旦のコンビニへ入っていく。
なにやら文句を言いながら当然のように俺の後ろについてコンビニに入ってくる。
「新年の挨拶にしれっとプロポーズ入れてくんな」
「ちぇー、引っ掛かると思ったのに」
「どうしてそれで俺が引っ掛かると思った?」
油断も隙もない。
危うくなにも考えずにオッケーするところだった。
「…それとな。なんで俺のアパートの隣のコンビニで会う?」
「偶然ですよ。偶然、たまたま、偶然。新年早々会えるなんて奇跡同然ですね」
こえぇ。再び心のなかで呟く。
いつからいた、こいつ。まさか年明ける前からとか言わないよな。
…こいつだからその可能性も否定できない。
「あ、先輩って一人暮らしですよね。ってことは新年の挨拶一発目は俺ってことになりますね」
「…こえぇ」
声に出た。
まさかそれを狙って待ち伏せしてたとか…あり得る。
「先輩は今年の抱負とかってありますか?」
「いや、特には。…あ、熱烈ストーカーの後輩から逃げることとか」
「いやだな、先輩。ストーカーじゃありません。先輩の身の安全を考慮して守っているだけです」
会社でも隙あらば「結婚してください」って迫ってくるの本当にやめてほしい。周囲からの目が痛い。
まだ付き合ってもいないのになんでいろいろぶっとばして結婚なんだ。
冗談で笑い飛ばせるレベルじゃないからまじでこわい。
「俺の抱負はですね。先輩と結婚式挙げることですかね」
「やめろ」
ぱしっと腕を掴まれて、おい、と声を上げる。
「…うそ。さっきのは冗談です」
そしてそのまま引き寄せられて、肩がぴくっと跳ねる。
「先輩に俺のこと知ってもらうことですかね、まずは」
意地悪く歪んだ口角に、ぞくりと背筋が冷えた。
俺の一年はこうして幕をあけるのだった。
……おいっ、なんでだよ!
新年 #157
文章を残すことが怖かった。
明日の私に見られることが怖かった。
投稿して他の人の視界に入ることが怖かった。
それは今だってそうだ。
だから遠回りになっているし、時々自分を見失うけれど、
いつの日にか自分は自分のままでいいって受け入れられるその日まで書きなぐっていこうと思う。
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こんなにも拙い文章を読んでくださりありがとうございます。
届くすべての人へ。
これからの一年があなたにとっての心に残る一年になりますように。
良いお年を #156
死にたいのに死ねない。
生きている必要なんてないのに無駄な呼吸を繰り返す。
そんな1年でした。
充電コードで自分とベッドを繋いで、わずかな希死念慮を沈めて眠ったことも少なくなかったように思われます。
ここまで書いて思い出したこと。
たぶんこれよりはましなんでしょうけど小さい頃に書いた読書感想文が母に読まれて、
こんな暗い文章かくな。読んでいる人の気持ちが悪くなる。嘘でもいいからもっと明るい文章書け。
って言われたことがあります。
こんな暗い文章読ませてしまってすいません。
来年はもっと明るいこと書けていたらいいな。
1年を振り返る #155
「……これ、よろ」
「ん?みかん?」
いつものようにこたつでぬくぬくしながらスマホをいじっていると、目の前に置かれたみかん。こたつの上に置いといたみかんのうちのひとつだろう。
「え、澄香?よろってなに、よろって」
ばっとからだを起こすと、ちらりとこちらを一瞥した彼女、澄香。相変わらずパソコンをかたかた言わせている。
冬休みの時期くらい休んでればいいのに。
「……あ、剥けってこと?」
自分で剥きなよーなんて言いながらみかんに手を伸ばす。
確かに澄香はプチ潔癖症なところあるからなぁ。みかん剥いたあとは洗っても洗ってもパソコンいじるの躊躇っていたし。
「はい、どーぞ。澄香女王さま」
「…ちがうでしょ」
「えっ」
ご丁寧にパソコンのよこにおいてあげたのに、まさかの違うと。
え、えー…剥けってことじゃなかったの?
それ以外にある?
「ん」
「……ん?」
澄香は小さく口をあけて、ここにいれろといわんばかりの表情である。
「あー、はいはいはいわかりました、わかりましたよっ。食べさせればいいんでしょ、食べさせればっ」
「遅い」
身をひとつ、片手にとった次の瞬間、その片手を引き寄せられて食べられた。
「おいしい」と妖艶に微笑んだ澄香が髪を耳にかけ、私はとっさに澄香をさん付けで叫んだことは言うまでもない。
─みかん─ #154