ああ!今日何も思いつかん!
欲望
死ねよ、私。
ここ幾日か、『死ねよ』脳内で『死ねよ』私が私へ『死ねよ』そう威喝する。『死ねよ』生きる意味など甚だないが、『死ねよ』こうなってくると『死ねよ』死なない意味も『死ねよ』死ね死ね死ね──
無償の愛など注げない。当たり前だ、他人なんだから。それなのに私にまで嫌われれば、今や私を好いてくれる人はいない。
金持ちの猫に生まれ直したい。犬、でもいいかもしれん。
列車に乗って
いつだって読書は、僕を幸せへ連れ去ってくれる手段だ。緩やかなようでいて存外速くカレンダーが捲れてゆくような物語は、一文、二文、読み解く順に感性が研ぎ澄まされ、情動は重くなりただ一途に、本を読んでいる自分という自意識さえも忘失して、その世界に酩酊できる。
嗚呼、姫よ。どうか悲しまないでください。 どうか笑って、私を見送ってください。姫の 頬にそうっと手を添えて騎士は一層深く微笑み ました。
まぶたの裏、空想で膨らんだ情景は波打ち際の落書きのように呆気なく、階下の歌声に搔き消された。やや昔の年代の歌だ。下手とも上手いともい言えぬ凡な出来映えで熱唱するのは、母親の今の彼氏だ。
──しょうもない。
込み上げていた情調も何もかも打ち飛んで、地面に唾を吐くような心持で本を閉じた。
遠くの街へ
爽やかな青春の味。酸味甘い恋の味。
コンビニのアイスコーナーにて見慣れた顔ぶれの中に二つ、なじみの無いアイスキャンディが陳列されていた。有名な会社のやつ。期間限定の文字が喧しくパッケージを飾っている。
知らねえよ、どんな味だよ。
有りがちな歌い文句が小癪に障るほど、私の情線は今、追随を赦さぬ如くやさぐれていた。
現実逃避
さて、私は無事自死を成功させた訳だが、私へ死ねと言葉を送ったあの子は今どうしているのだろう。
君は今