どうして
どうして、だなんて、一体何を問いたかったの。
欲しているものは何?
裏切られたとでも、信じられないとでも言いたげな、そんな声。どうだろう、あるいはあなた、わかっていた?
わからないね。あなたも、私も。本当のことは何一つ。わからないよ。その囁きのような、短い言葉では。顔が仮面に覆われている私たちは、声だけが頼りなのに。
どうして、だなんて。どうしようもないじゃないか。
ね、おそらくは、そんなこと、問うべきじゃあない。迷宮に迷い込みたくはないだろう。そんなものに、そんな問いに、とらわれるべきではないんだよ。
どうして、どうして。
きっと意味のあったはずのそれは、頭の中を回るだけの、短い文字列に慣れ果ててしまった。
凍てつく鏡
鏡よ、鏡。
魔法の言葉を呟いて、一体何を問うのでしょう。
けれどもう、鏡は答えを教えてくれないよ。それどころか、何かをうつすこともないのだろう。
鏡の持ち主は疲弊し、意識も肉体も放棄した。
迷宮を彷徨っていたようなその人の苦悩は、答えはおそらく鏡が教えてくれただろうに。
あるいは、それが耐え難かったのかもしれない。答えなど、知りたくはなかったのかもしれない。
問いを口にしたのは遠い昔。しかも、無邪気な子供の頃。
しかし最期に呪文を囁いて、一体何を問いたかったのでしょう。
氷の膜がへばりついて、年々厚さが増していく。
何もかもをうつしだすかのように思えたその鏡さえ、長い年月には敵わないらしかった。
鏡よ、鏡。呼びかけても、問いにこたえることはない。
祈りを捧げて
お許しください。どうかどうか。
私は確かに、何かを祈っていたのです。
そのために何もかも捨てさりました。全てが、私から離れていってしまっても。
でも、もうわからないんです。何を信じ、何に、何のために、祈っていたのか。
教えてください。
君が見た夢
君が見た夢だなんて、わかるはずがないじゃないか
あの夢を語っていた時のお前、
桃色に染まったあの頬も、あげられたあの口角も、柔く細められたあの目も、高鳴る鼓動を抑えるようにあてられたその手も、全てが歓喜に満ち溢れていたじゃないか。
それが今や、一体、どこを見ているのだ。そればかり語って、何がしたい。
何処にも踏み出さず、枯れ果てたそこに一人とどまり続けたお前のことだなんて、忘れてしまった。
何の夢を見ていたの