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6/14/2022, 3:49:40 PM

「マリンファンタジーワールド」

男性は、後悔していました。

男性の妻は、小柄な可愛らしい女性で、

結婚前は家庭的で、手作りのお弁当を作ったり、

手編みのマフラーを編んでくれてたので、

男性は、結婚相手に相応しいと思ったので、

結婚したのですが、実際は、

高級ブランドを買い漁り、

同じ家電を何台も買う無頓着ぶりの

金銭感覚の粗さで、

料理の腕は悪く、それを毎日食べさせられる

男性にして見れば拷問その物です。

男性は、あの弁当は誰が作ってたんだろう?

と思いました。

男性の妻は、家事もせずに

男性アイドルのDVDを一日中見ていることもあり、

男性は、妻に対する愛情が冷めて行きました。

男性は、妻に別れ話を切り出すと、

妻は、夫に妊娠を告げました。

離婚が出来なくなった男性は、

妻の代わりに家事全般することになり、

お腹が大きくなって行く妻は、

一日中ダラダラ過ごして居ました。

妻は、だんだん肥満体型になって行きました。

男性は、ネットショッピングで

ベビー用品を買い漁っている妻に

「編み物はしないの?」と、聞いた事がありましたが、

「全然しない」との事でした。

男性は、あのマフラーは誰が編んだんだろう?

と思いました。

子供が生まれましたが、

妻の体型は肥満体型のままで、

子育ては男性と義母に任せっきりです。

子供もだんだんお母さんに似て来ました。

男性は、会社で毎日泣いていました。

ある日、男性は会社のイベントの景品で

子供向けの海水浴セットをもらったので、

「家族で海に行かないか?」と誘いましたが、

妻と子供は、

「家でゲームやるから、あなた一人で行って来なさいよ」

と、冷たく返事を返しました。

男性は、渋々一人で海に行く事にしました。


男性は、海に行くと、

楽しそうにはしゃぐ家族連れを見て、

「どこかで人生を間違えたのかな…?」

と、落ち込んでいました。

「あ、ひょっとして○○君?久しぶり!」

と、話しかける女性が、男性の隣に座りました。

「○○ちゃん?!」

男性の隣に座った女性は、

男性の高校時代の幼なじみでした。

「どうしたの?暗い顔して」

「実は…」

男性は幼なじみに結婚生活の事を話しました。

「それは、悲惨だねー」

「僕、どこかで人生を間違えたのかな…?」

「まぁ、家に比べれば、まだマシな方だよ。

 DV夫でさ、束縛されっぱなし、夜は殴られっぱなし」

「○○ちゃんの旦那って…」

「○○君の一番好きな女の子だった子だよ」

二人は黙ってしまいました。

「僕、その子が好きだった。

 男性に性を変えるって聞いた時は一晩泣いたよ。

 でも、本当に好きな子は○○ちゃんなんだ。

 今でもその気持ちは変わらない」

「私も、本当に好きな男の子は○○君だよ

 それは、ずっとずっと変わらないよ!」

二人の目から、涙が溢れました。

海岸のサンセットの光の中で、

イルカの群れが遠くの方でジャンプしていました。

「時間だから、そろそろ帰らなきゃいけないね」

「私、○○君に会えて良かったよ。

 また、会いたいよ…」

「僕も、○○ちゃんにまた会いたいよ」

「会えるよね?」

「きっと、会えるよ…」

二人は、それぞれの家に帰って行きました。

6/13/2022, 12:08:35 PM

「夢のサーキット」

男性は、子供の頃はミニ四駆が大好きでした。

学校の休みの日に、玩具店のレーシングコーナーで、

友達と一緒に、自慢のミニ四駆を走らせるのが

楽しみでした。


男性は、成人になってからは

真面目に働き、昇進は出来なくても

収入は安定していて、

運良く結婚も出来ました。


最近は、妻との会話も少なくなり、

男性は、何だか物足りない毎日を送っていました。


ある日、男性は数十年ぶりに

子供の頃に通っていた玩具店の前を通りかかりました。

そこには、かつてのミニ四駆仲間が集まって、

ミニ四駆を走らせていました。

男性は、仲間達の元へ立ち寄り、

久しぶりにミニ四駆を走らせて遊ぶ理由を聞きました。

仲間達は、

「雑誌の特集を見て、懐かしくなって、

 気付いたらこの店に来ていた」

と、言いました。

男性は、時間が経つのも忘れて、仲間達と遊びました。


家に帰ると、妻はスマホに夢中で、

夫の事なんかそっちのけだったので、

そのまま夕食を食べて、風呂に入って、

就寝しました。


男性は、再び玩具店に行くと、

仲間達に混ざって、子供の頃によく遊んでいた

女性がレースを応援していました。

男性は、女性と再会して、

お互いの人生話に花を咲かせました。

男性は、寂しい気持ちなんかどっかに消えてしまい、

女性と時間の許す限り会話を楽しみました。


ある日、妻から離婚話を切り出されました。

男性に愛情が無くなったと言う理由でした。

男性は、その時は涙しましたが、

離婚を受け入れました。

養育費や慰謝料とかの金銭問題は発生しませんでした。


男性は、女性の元へ訪れ、

女性が独身なので、

再婚話を持ちかけました。

女性は、すんなり受け入れました。

男性は嬉しさのあまり、涙が溢れて止まりませんでした。

6/12/2022, 11:20:24 AM

「再会のフェスティバル」

主婦には、隠し事がありました。

それは、推しのファングッズです。

旦那にバレたら、旦那が大暴れしそうなので、

内緒で、自分の部屋の押入れに隠していました。


ただ、推しのファングッズだけだと、

旦那にバレてしまうので、誤魔化しで

国民的ユーチューバーのグッズも買っていました。

旦那には、国民的ユーチューバーのファンだと言って、

推しのファングッズは、親戚の子の頼みで買っていると、

言っていました。


ある日、主婦は旦那から

「どうして、国民的ユーチューバーのイベントに

 行かないんだ?」

と、言われたので、仕方無く

国民的ユーチューバーのフェスに行く事にしました。


フェス当日、

主婦は、一人でライブ会場にいました。

男性アイドルの推しに比べて、

国民的ユーチューバーは、

そんなにイケメンでもありません。

主婦は、意気消沈していたら、

突然、昔の彼氏から声をかけられました。


大人になった昔の彼氏が、

「この人のファンだなんで、奇遇だね!」

と、気さくに主婦に話しかけて、

「何か辛いことあった?」

と、主婦を心配しました。


主婦は、家庭の悩みを真摯に聞いてくれる

昔の彼氏に対する愛情が復活して、

ちょくちょく、国民的ユーチューバーのイベントに

参加することにしました。


主婦は、国民的ユーチューバーのグッズを見ると、

昔の彼氏の事を思い出し、

昔の思い出に浸りながら、幸せな気持ちになりました。

いつしか、推しのファングッズには興味が行かなくなり、

処分してしまいました。


ある日、旦那が別れ話を切り出しました。

旦那は、主婦以外に大切な人が出来てしまい、

「その人と共に人生を送りたい」

と、主婦に言いました。

主婦も、昔の彼氏の事を旦那に告白し、

夫婦は、円満離婚をしました。

5/18/2022, 4:47:16 AM

「お金と言う愛の形」

女性は、社会的地位のあるキャリアウーマンです。

女性の悩みは、恋愛経験が全く無くて、

恋バナが出来ない事。


ある日、女性は、学生時代の友人に誘われて、

動画配信アプリをする事になりました。

女性は、動画配信アプリは全くの初めてだったので、

リスナーと言うゲスト参加から始めました。


そこで、女性の好みの男性配信者に出会い、

女性は、毎日アプリを開いて会いに行きました。

女性は毎日、男性配信者に会うのが楽しみになり、

いつしか男性配信者に恋心を抱くようになりました。


女性は、

「どうしたら男性配信者が自分に話しかけてくれるのか」

と、友人に相談した所、

「投げ銭をすれば、振り向いてくれるんじゃない?」

と、友人は女性にアドバイスしました。

友人に寄れば、投げ銭が高額であればある程、

振り向いてくれる確率が高くなるとの事で、

女性は、お金の工面を考えました。


女性は、仕事でたまたま

男性配信者の個人情報を知る事が出来て、

女性は、この際だから男性配信者に直接渡しちゃえ!と、

会社の数千万円ものお金を男性配信者の口座に

振り込みました。


一方、男性配信者は、

ある日突然、高額なお金が手に入ったので、

お金を一気にギャンブルに注ぎ込み、

一夜にして全額を使い込んでしまいました。


女性は、いつもの様に

男性配信者の配信を待っていましたが、

一向に現れず、突如、ネットニュースで

「一流企業の事業金、一個人へ謎の入金」

と、流れたのを見て、女性の顔は真っ青になりました。


男性配信者は、ネットニュースで

自分の事が話題になり、一流企業の会長が

「振り込んだお金を全額返して下さい」

と、催促して来ているので、てんやわんやの状態でした。

5/13/2022, 10:57:14 AM

「ありふれた家の同居人」


女性は、普通の人生を送っていました。


女性は、

ごく普通に友達を作り、

ごく普通に彼氏を作り、

ごく普通に大学を卒業し、

ごく普通にクラフト工房に務めていました。


女性は、彼氏と結婚して、

男の子に恵まれました。


だけど、幸せはそう長くは続きませんでした。


女性は、夫からの暴力が原因で、

離婚せざる負えなくなったからです。


女性は、幼い我が子を連れて、

遠い土地で暮らさざる負えなくなりました。


女性は、シングルマザーとして、

息子を育てながら、仕事を頑張りました。


そんなある日、女性の元に一人の老婆が現れます。

老婆は、女性の家の

炊事、洗濯、掃除などの家事を

そつなくこなし、子供の世話もしてくれました。

女性は、とても喜んで、

住む家が無い老婆に、家の一室を貸しました。


時間に余裕が出来た女性は、

勤務時間の傍ら、資格の勉強に励みました。

資格を取って、自分の店を持って、

子供に今よりずっと楽な生活をさせたかったのです。


女性が資格の勉強をし始めてから、数ヶ月経ったある日、

女性の元に一人の男性が現れます。

男性は、最初は工房の生徒でしたが、

女性と会話を重ねるうちに

女性にとって、かけがえのない存在になります。

女性は、男性だったら

息子とも仲良くしてくれるだろうと思い、

交際の末、男性と女性は再婚しました。


女性は、資格を取る事が出来て、

自分の店を持って数年が経ったある日、

息子は、家で冷たくなっていました。

女性は、二度と目を覚まさない息子を

呼び起こしていたら、警察がやって来ました。


警察によると、女性の家に同居していた

老婆と女性の今の夫が、

子供を日常的に虐待していたのです。

老婆と女性の今の夫は「お尋ね者」だったと、

警察官は言いました。


家族を失った女性は、

生涯独身で生きる事にしました。

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