「マリンファンタジーワールド」
男性は、後悔していました。
男性の妻は、小柄な可愛らしい女性で、
結婚前は家庭的で、手作りのお弁当を作ったり、
手編みのマフラーを編んでくれてたので、
男性は、結婚相手に相応しいと思ったので、
結婚したのですが、実際は、
高級ブランドを買い漁り、
同じ家電を何台も買う無頓着ぶりの
金銭感覚の粗さで、
料理の腕は悪く、それを毎日食べさせられる
男性にして見れば拷問その物です。
男性は、あの弁当は誰が作ってたんだろう?
と思いました。
男性の妻は、家事もせずに
男性アイドルのDVDを一日中見ていることもあり、
男性は、妻に対する愛情が冷めて行きました。
男性は、妻に別れ話を切り出すと、
妻は、夫に妊娠を告げました。
離婚が出来なくなった男性は、
妻の代わりに家事全般することになり、
お腹が大きくなって行く妻は、
一日中ダラダラ過ごして居ました。
妻は、だんだん肥満体型になって行きました。
男性は、ネットショッピングで
ベビー用品を買い漁っている妻に
「編み物はしないの?」と、聞いた事がありましたが、
「全然しない」との事でした。
男性は、あのマフラーは誰が編んだんだろう?
と思いました。
子供が生まれましたが、
妻の体型は肥満体型のままで、
子育ては男性と義母に任せっきりです。
子供もだんだんお母さんに似て来ました。
男性は、会社で毎日泣いていました。
ある日、男性は会社のイベントの景品で
子供向けの海水浴セットをもらったので、
「家族で海に行かないか?」と誘いましたが、
妻と子供は、
「家でゲームやるから、あなた一人で行って来なさいよ」
と、冷たく返事を返しました。
男性は、渋々一人で海に行く事にしました。
男性は、海に行くと、
楽しそうにはしゃぐ家族連れを見て、
「どこかで人生を間違えたのかな…?」
と、落ち込んでいました。
「あ、ひょっとして○○君?久しぶり!」
と、話しかける女性が、男性の隣に座りました。
「○○ちゃん?!」
男性の隣に座った女性は、
男性の高校時代の幼なじみでした。
「どうしたの?暗い顔して」
「実は…」
男性は幼なじみに結婚生活の事を話しました。
「それは、悲惨だねー」
「僕、どこかで人生を間違えたのかな…?」
「まぁ、家に比べれば、まだマシな方だよ。
DV夫でさ、束縛されっぱなし、夜は殴られっぱなし」
「○○ちゃんの旦那って…」
「○○君の一番好きな女の子だった子だよ」
二人は黙ってしまいました。
「僕、その子が好きだった。
男性に性を変えるって聞いた時は一晩泣いたよ。
でも、本当に好きな子は○○ちゃんなんだ。
今でもその気持ちは変わらない」
「私も、本当に好きな男の子は○○君だよ
それは、ずっとずっと変わらないよ!」
二人の目から、涙が溢れました。
海岸のサンセットの光の中で、
イルカの群れが遠くの方でジャンプしていました。
「時間だから、そろそろ帰らなきゃいけないね」
「私、○○君に会えて良かったよ。
また、会いたいよ…」
「僕も、○○ちゃんにまた会いたいよ」
「会えるよね?」
「きっと、会えるよ…」
二人は、それぞれの家に帰って行きました。
6/14/2022, 3:49:40 PM