「ラベリング」
とある街の学校に、仕切りたがりの女の子がいました。
仕切りたがりの女の子は、「この子と言えばコレ」と言って、クラスメート達に自分が決めた性格や役柄を押し付けていました。
仕切りたがりの女の子は、「この子とこの子がお似合い」と言って、クラスメート同士のカップルを強引に作ろうとしました。
クラスメート達はそれぞれ好きな人が居るので、仕切りたがりの女の子が勝手に決めた相手とは恋人同士にならないと口々に言いました。
仕切りたがりの女の子は、
「逆らったら、パパに言いつけて学校から追い出すよ?」
と、クラスメート達に脅しました。
クラスメート達は、仕切りたがりの女の子が決めた相手と恋人同士になったフリをしなくてはならなくなりました。
立場の弱い女の子は、障害者の男の子と恋人同士のフリをしなくてはならなくなりました。立場の弱い女の子は、障害者の男の子を気味が悪い宇宙人や異物としてしか見れない為、毎晩「仕切りたがりの女の子をやっつけて」と願っていました。
ある日、仕切りたがりの女の子は自分が好きな男の子と廊下を歩いていると、職員室のある方角でざわめき声が聞こえて来ました。
仕切りたがりの女の子は職員室の方に行くと、机を整理しているお父さんの姿がありました。
周りの児童が、
「あの先生、6年生の女子と保健室でエッチしてたらしいぞ」と、騒いでいました。
仕切りたがりの女の子は、
「絶対、何かの間違いに決まってるじゃん!」
と、反論しましたが、
「証拠の映像のあるよな?」
と、言った男子児童が、SNSの動画を周りの児童達に見えるように見せました。
「コレであんたのお父さんは先生じゃ無くなるよね?」
「アンタはランク最下位の底辺人間だから、真面目な地味人間として生きなさいよ」
「真面目な地味人間だから、服装も髪型も真面目な地味にしなきゃダメだよ?」
「テストも全教科0点しか取れないもんね?テストで0点じゃ無かったら犬のエサ食わすからな」
「ランク最下位なんだから、障害者としか結婚しちゃダメだよ?」
仕切りたがりの女の子は、学校中からイジメられる人生を送りました。
「お気に入りのスニーカー」
新しいスニーカーを履いて、とっても笑顔な女の子。
これから、キャンプに行く所で、
家族みんなでキャンプの準備をしています。
「このスニーカー、買ってくれてありがとう!」
「すぐ、ボロボロにしちゃダメよ。
そのスニーカー、高かったんだから」
「うん!大事にする!」
女の子は、ウキウキ気分でキャンプの準備のお手伝いをしていました。
「早く、キャンプの日にならないかな?」
そして、キャンプの日。
女の子と家族の他に女の子のお友達とその家族も来ていました。
「ねぇ!川の方、行ってみようよ!」
お友達は女の子を誘いました。
「うん!今行く!」
女の子はテントの組み立てのお手伝いが終わると、川の方へ向かって走って行きました。
「危ないから、気をつけなさいよ!」
女の子のお母さんは、バーベキューの準備をしていました。女の子のお父さんはテントを組み立て終わりました。
「この分だと、スニーカーすぐボロボロになっちゃうかも」
「また、買ってやれば良いって」
「いくらしたと思ってるのよ?」
バーベキューの準備が終わって、お母さん達は子供達を呼びました。
「バーベキューの準備出来たよー!」
「はーい!」
子供達は一斉にそれぞれの親の元へ駆けつけましたが、女の子の姿がありません。
「…あれ?うちの子は?」
女の子のお母さんは、女の子のお友達に聞きました。
「来てないよ?」
「いつから?」
「最初から」
女の子の両親は不審に思い、警察に捜索願を出しました。
「うちの子が行方不明になったんです…」
「川の方へ行くって言ったっ切りで…」
女の子が行方不明になった事件は、ニュースに取り上げられて、多くの機動隊が女の子を探しましたが、女の子は見つかりませんでした。
「お願いです。娘を探して下さい!」
女の子の両親は、警察に懇願しましたが、
「我々も全力で捜索してるのですが、持ち物や靴すら見つからない状態ですので…」
「申し訳ありませんが、捜索はここで打ち切らせてもらいます」
警察は、捜索を打ち切りました。だけど、女の子の両親は諦めずに目撃情報を探しました。
数ヶ月経ったある日、
「何よコレ…」
ポストに入っていた手紙には、
「親のお前が犯人だろ!」
と、書かれていました。お母さんは酷く悲しい気持ちになりました。
「まるで、うちの子は神隠しに遭ったみたいね」
「きっと、娘は戻って来るさ」
女の子の両親は、娘が戻って来る事を祈りました。
数年後、
女の子のスニーカーがキャンプ場の隣の山から発見されました。そして、子供の頭蓋骨の後頭部が発見されました。
「コレは娘の物じゃありません」
女の子のお母さんは、娘が生きている事を信じ続けました。
「嫌われ者のデザイナー」
ファッションデザイナーを志す人が居ました。
その人は、元々嫌われ者で、
クラスメートから授業を妨害されて、
まともに勉強出来ずに
デザイナー学校に来ました。
その人の成績はあまり振るわなかったので、
先生から問題児扱いされたり、
クラスメートから笑われたりしていましたが、
必死に勉強して、何とか授業に追い付きました。
ある日、学校の門の前で
デモを行っている人々を見かけたその人は、
先生に報告すると、先生は
「あんなの気にすんな。
嫌われてこそのファッションデザイナーだから」
と、言うだけでした。
ファッションデザイナーを志すその人は、
「デザイナーはみんなの憧れだから
デザイナーになれなかった人達は
きっと妬んでるんだ」
と、思っていました。
ある日、海外旅行に行ったその人は、
ビーチに行くと海はゴミだらけ、
湖に行くと辺り一面濁った汚い液体で汚染され、
鳥を見ると細長いヒモでグルグル巻になって
身動きが取れなくなっている、
環境汚染が深刻化している現状を
目の当たりにしました。
「ファッション業界は何とかならん物かね。
美を追求する程に自然や生き物達が
可哀相な目に遭っとるのに…」
ガイドの説明を聞いたその人は、
「嫌われるのって、妬みじゃなくて、
ファッション業界が酷い事してるからなんだ…」
と、真実を悟りました。
ファッションデザイナーを志すその人は、
環境に配慮した服を作ろうと決意しました。
服を着飾りたい人は、
アバターアプリで発散したり、作ってもらおう。
ダサくても良いから、
長く着れる服を作ろう。
服の素材作りや縫う作業は、
フェアトレードが成立し、
かつ持続可能な社会に貢献出来る仕組みで
作られる様にしよう。
その人はファッションデザイナー達に呼びかけ、
本当に嫌われないファッション業界になるように
デザイナー達は取り組み始めました。
「人がたくさん住んでいる国」
とある国では、赤ちゃんがたくさん生まれて、少子化なんて言葉は存在しない程、人がたくさん住んでいます。
人がたくさん住んでいるから、高層マンションに住んでいる国民は大半です。
人が多いから、とにかく賑やか。ショッピングモールや公園、映画館やアミューズメントパークや遊園地などの人が集まる場所はいつも一杯です。
この国は、都会みたいに建物が密集しているコンクリートジャングルの土地が殆どで、森林地帯は全体の4割以下です。
働いている人も多いから、色んな建物があって、色んな人が居て、色んな楽しい事があります。繁華街はさぞかし盛況している事でしょう。
楽しい事を考える人が居て、
一人の人を支える人達が一杯居て、
快適な暮らしにしようと頑張る人達が居て、
国を金持ちにしようと頑張る人達が居て、
楽しいひとときを贈る人も居て、
住んでる所を綺麗にしようと頑張る人達が居て、
安全な暮らしを守る人達が居て、
将来の為に学びを頑張る人達が居て、
健康な毎日を送れる手助けをする人達が居て…
誰かが失敗しても責めないであげるので、この国の人々は心の器も広いです。誰かが失敗しても、助けられる人が一杯居るからです。
「人間は誰しも100%完璧には出来ないの
だから、小さな失敗は責めないであげて
気にしないのが一番」
こう言う考え方の人が多いのでしょう。
人が多いと、色んな考え方の人が居るので、色んな知恵を絞って、色んな危機を乗り越える事が出来ます。そして、友達も沢山出来ます。これだけ人が多いと、気が合う人に出会う確率も非常に高いです。それなら、好きな人や大切な人に出会う確率も非常に高いでしょう。
この国、きっと毎日が楽しいんでしょうね。
「水泳教室」
女の子には悩みがありました。
女の子は、水泳教室に通っていて、水泳教室の年下で泳ぎが上手い女の子から嫌がらせを受けていました。
泳ぎが上手い女の子は、女の子に
「年上で泳ぎが下手なの笑えるんだけど」
「泳ぎが下手なのに何で来てるの?」
「もじもじしてるのキモいよ」
と、悪口を言っていました。
女の子は、コーチにこの事を相談しますが、
「お前の泳ぎが下手だから言われるんじゃないか?」
「そんな事言ってる場合があったら練習しろ」
と、言われて、話にも乗ってくれませんでした。
ある日、女の子は泳ぎが上手い女の子に
「泳ぎが上手くなりたいんなら、オリンピック選手目指せば?アンタトロいんだし」
と、言われました。オリンピックを知らない女の子は、コーチにオリンピックの意味を聞きました。
「オリンピックか…オリンピックは運動能力が極めて高いアスリートが出場する大会だ。泳ぎが下手なお前でも上手くなる方法を教えてやるぞ?オリンピック選手目指すか?」
コーチがそう言ったので、女の子は「はい」と答えてしまいました。
次の週から、コーチの拷問のような特訓が始まりました。
女の子は、泳ぎのフォームが少し崩れただけで
「真面目にやれ!!!」
と、コーチに大声で怒鳴られるように注意され、
目標タイムより0.1秒遅れただけで
「何で早く泳げないんじゃ!!!」
と、他の生徒の前で鼻から血が出るまで何回も殴られました。
女の子は、水泳教室の日の夜は布団の中で泣いていました。
ある日、女の子はコーチに
「今度の昇級テストで、50メートルクロールを目標タイムクリア出来たら階級を上げてやっても良いぞ」
と、言われたので、女の子は必死になってクロールを頑張りました。
女の子は、昇級テストで50メートルクロールを目標タイムクリアを達成しました。
女の子は、帰りの合格者リストをドキドキしながら見ましたが、自分の名前はありませんでした。
女の子は、コーチの所へ行き、
「約束が違うじゃないですか!」
と、言いますが、コーチは
「目標タイムはクリアしてもフォームが悪いから昇級は無しだ」
と、言うだけでした。
女の子は、水泳に絶望して、水泳教室を辞めました。
泳ぎが上手い女の子は、
「コレでウザい邪魔は消えた」
「って言っても、ソイツの泳ぎ障害者レベルだし消すほどでも無かったんだけど」
「オリンピック選手目指すんなら、厳しいスパルタは覚悟しろって」
「年上なのにそんな事も知らないなんて馬鹿かよ?」
「ま、サッサと悩んだ挙句自殺してあの世行けよ(笑)」
と、同級の仲間と話していました。