NoName

Open App

「嫌われ者のデザイナー」

ファッションデザイナーを志す人が居ました。

その人は、元々嫌われ者で、
クラスメートから授業を妨害されて、
まともに勉強出来ずに
デザイナー学校に来ました。

その人の成績はあまり振るわなかったので、
先生から問題児扱いされたり、
クラスメートから笑われたりしていましたが、
必死に勉強して、何とか授業に追い付きました。


ある日、学校の門の前で
デモを行っている人々を見かけたその人は、
先生に報告すると、先生は

「あんなの気にすんな。
 嫌われてこそのファッションデザイナーだから」

と、言うだけでした。


ファッションデザイナーを志すその人は、

「デザイナーはみんなの憧れだから
 デザイナーになれなかった人達は
 きっと妬んでるんだ」

と、思っていました。


ある日、海外旅行に行ったその人は、

ビーチに行くと海はゴミだらけ、
湖に行くと辺り一面濁った汚い液体で汚染され、
鳥を見ると細長いヒモでグルグル巻になって
身動きが取れなくなっている、

環境汚染が深刻化している現状を
目の当たりにしました。

「ファッション業界は何とかならん物かね。
 美を追求する程に自然や生き物達が
 可哀相な目に遭っとるのに…」

ガイドの説明を聞いたその人は、

「嫌われるのって、妬みじゃなくて、
 ファッション業界が酷い事してるからなんだ…」

と、真実を悟りました。


ファッションデザイナーを志すその人は、
環境に配慮した服を作ろうと決意しました。

服を着飾りたい人は、
アバターアプリで発散したり、作ってもらおう。

ダサくても良いから、
長く着れる服を作ろう。

服の素材作りや縫う作業は、
フェアトレードが成立し、
かつ持続可能な社会に貢献出来る仕組みで
作られる様にしよう。

その人はファッションデザイナー達に呼びかけ、
本当に嫌われないファッション業界になるように
デザイナー達は取り組み始めました。

4/29/2022, 8:43:41 AM