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「お気に入りのスニーカー」

新しいスニーカーを履いて、とっても笑顔な女の子。

これから、キャンプに行く所で、
家族みんなでキャンプの準備をしています。

「このスニーカー、買ってくれてありがとう!」

「すぐ、ボロボロにしちゃダメよ。
 そのスニーカー、高かったんだから」

「うん!大事にする!」

女の子は、ウキウキ気分でキャンプの準備のお手伝いをしていました。

「早く、キャンプの日にならないかな?」

そして、キャンプの日。

女の子と家族の他に女の子のお友達とその家族も来ていました。

「ねぇ!川の方、行ってみようよ!」

お友達は女の子を誘いました。

「うん!今行く!」

女の子はテントの組み立てのお手伝いが終わると、川の方へ向かって走って行きました。

「危ないから、気をつけなさいよ!」

女の子のお母さんは、バーベキューの準備をしていました。女の子のお父さんはテントを組み立て終わりました。

「この分だと、スニーカーすぐボロボロになっちゃうかも」

「また、買ってやれば良いって」

「いくらしたと思ってるのよ?」

バーベキューの準備が終わって、お母さん達は子供達を呼びました。

「バーベキューの準備出来たよー!」

「はーい!」

子供達は一斉にそれぞれの親の元へ駆けつけましたが、女の子の姿がありません。

「…あれ?うちの子は?」

女の子のお母さんは、女の子のお友達に聞きました。

「来てないよ?」

「いつから?」

「最初から」

女の子の両親は不審に思い、警察に捜索願を出しました。

「うちの子が行方不明になったんです…」

「川の方へ行くって言ったっ切りで…」

女の子が行方不明になった事件は、ニュースに取り上げられて、多くの機動隊が女の子を探しましたが、女の子は見つかりませんでした。

「お願いです。娘を探して下さい!」

女の子の両親は、警察に懇願しましたが、

「我々も全力で捜索してるのですが、持ち物や靴すら見つからない状態ですので…」

「申し訳ありませんが、捜索はここで打ち切らせてもらいます」

警察は、捜索を打ち切りました。だけど、女の子の両親は諦めずに目撃情報を探しました。

数ヶ月経ったある日、

「何よコレ…」

ポストに入っていた手紙には、

「親のお前が犯人だろ!」

と、書かれていました。お母さんは酷く悲しい気持ちになりました。

「まるで、うちの子は神隠しに遭ったみたいね」

「きっと、娘は戻って来るさ」

女の子の両親は、娘が戻って来る事を祈りました。

数年後、

女の子のスニーカーがキャンプ場の隣の山から発見されました。そして、子供の頭蓋骨の後頭部が発見されました。

「コレは娘の物じゃありません」

女の子のお母さんは、娘が生きている事を信じ続けました。

4/30/2022, 9:07:08 AM