NoName

Open App

「ありふれた家の同居人」


女性は、普通の人生を送っていました。


女性は、

ごく普通に友達を作り、

ごく普通に彼氏を作り、

ごく普通に大学を卒業し、

ごく普通にクラフト工房に務めていました。


女性は、彼氏と結婚して、

男の子に恵まれました。


だけど、幸せはそう長くは続きませんでした。


女性は、夫からの暴力が原因で、

離婚せざる負えなくなったからです。


女性は、幼い我が子を連れて、

遠い土地で暮らさざる負えなくなりました。


女性は、シングルマザーとして、

息子を育てながら、仕事を頑張りました。


そんなある日、女性の元に一人の老婆が現れます。

老婆は、女性の家の

炊事、洗濯、掃除などの家事を

そつなくこなし、子供の世話もしてくれました。

女性は、とても喜んで、

住む家が無い老婆に、家の一室を貸しました。


時間に余裕が出来た女性は、

勤務時間の傍ら、資格の勉強に励みました。

資格を取って、自分の店を持って、

子供に今よりずっと楽な生活をさせたかったのです。


女性が資格の勉強をし始めてから、数ヶ月経ったある日、

女性の元に一人の男性が現れます。

男性は、最初は工房の生徒でしたが、

女性と会話を重ねるうちに

女性にとって、かけがえのない存在になります。

女性は、男性だったら

息子とも仲良くしてくれるだろうと思い、

交際の末、男性と女性は再婚しました。


女性は、資格を取る事が出来て、

自分の店を持って数年が経ったある日、

息子は、家で冷たくなっていました。

女性は、二度と目を覚まさない息子を

呼び起こしていたら、警察がやって来ました。


警察によると、女性の家に同居していた

老婆と女性の今の夫が、

子供を日常的に虐待していたのです。

老婆と女性の今の夫は「お尋ね者」だったと、

警察官は言いました。


家族を失った女性は、

生涯独身で生きる事にしました。

5/13/2022, 10:57:14 AM