「私はお姫さま」
女の子は成績が優秀で、
ミスコンテストで一位の容姿を持つ
読者モデルです。
女の子は、学校ではミニスカートで、
ヒールの高い靴を履いていました。
女の子は、権力のある女子や
女子からモテる格好良い男子とは仲良くしますが、
それ以外のクラスメートには、
近づくなと言う雰囲気を醸し出しています。
女の子は女子からはとにかく嫌われて、
男子からはとにかく好かれました。
女子の学級委員は、
女の子は学校行事に参加しないので
注意をしましたが、
男子達は、
「芸能人は仕事で忙しいから許してやれよ」
と、女の子を庇いました。
女子の給食係は、
女の子が配膳とかせずに、
友達と喋ってばっかりいるから
注意をしましたが、
男子達は、
「配膳は一般人のお前らがやれよ」
と、女の子を庇いました。
女子の掃除係は、
女の子が掃除をせずに帰るので
注意をしましたが、
男子達は、
「掃除くらい目をつぶれよ。
文句言わずにお前らがやれよ!」
と、女の子を庇いました。
女子達は、この事を
週刊誌に告白しました。
だけど、テレビ局や出版社などの記者は
男性が多くて、男性が高い役職に就いている事が殆どです。
大人達は女の子が正しい行いをしていると
テレビや週刊誌に流して、
女子達の声を揉み消しました。
「女の子は、男性から愛されるお姫様でなきゃ。
醜い女の子なんて誰が助けるのよ?
そんな子、不幸な人生を送るだけよ」
女の子は、高級なレストランでグラス片手に呟きました。
「もう一人の私」
少女は心臓に重い病気を患っていました。
ドナーを探していますが、なかなか見つかりません。
少女の家族、友達、親戚、恋人…
そして、少女を応援する知らない人達は、
少女が可哀想だと思い、
励ましや暖かい言葉をかけていました。
少女の天国行きのリミットが刻一刻と迫る時、
遂にドナーが現れました。
早速、手術が始まり、
少女の心臓は元気な物に取り替えられました。
術後の少女の容態は安定し、手術は無事に成功しました。
少女は退院し、周りの人達は祝福しました。
その時、周りの人の声に混じって、
「君、幸せ者だね」
と、知らない人の声が少女の耳に聞こえました。
少女はその時は気にも止めませんでした。
退院して一ヶ月程経ったある日、
少女は学校から帰ると、
おやつにプリンが用意されていました。
少女は嬉しそうにプリンを口に入れると、
突然、胸が苦しくなりました。
少女は苦しそうに咳き込み、
プリンを食べるのを止めました。
その時、「苦しめてあげる」と言う声が
聞こえて来ました。
通院日、特に異常はありませんでした。
数週間後、公園で友達が
「アバターゲームやろうよ」
と、誘って来たので、
友達の元へ早歩きで向おうとすると、
突然、胸が凄く苦しくなりました。
少女は苦しそうに胸を押さえて
その場でしゃがみ込んでしまいました。
「大丈夫?!」
と、友達は心配しました。
その時、「あの世に行けば良いのに」と言う声が
聞こえて来ました。
少女は、謎の声の事を友達に言うと、
「頭おかしいんじゃない?」と、言われ、
友達は少女から離れて行きました。
その夜、少女は悲しくなって
恋人にメッセージで謎の声の事を書いて送ると、
「ゴメン、分かんないや」
と、返信が来て、
それ以来、彼から連絡が来なくなりました。
少女は自分の部屋で涙を流していると、
「アハハ、面白いや!」
と、謎の声は言いました。少女は、
「何で、私を苦しめるの?」と、言うと、
謎の声は、
「君の幸せな人生見てるだけってつまんない。
僕は死んだから、好き放題遊んでるんだよ」
と、長い話を始めました。
「僕は、君の今の心臓だよ。
僕は、父親が居なくて母親だけで育ったんだけど、
毎日毎日、何かと理由を付けて怒って来るんだ。
その度に何発も殴られて、とても嫌な思いしたよ。
クラスメートは皆冷たいし、
僕だって友達が欲しいくらいだよ。
君は良いよね。周りの人達みーんな優しいからさ。
本当に君を苦しめたくなるよ…」
少女は、「お願い、頭の中で話さないで」
と、謎の声に言いましたが、
「じゃあ、長い話を続けるよ」
と、謎の声は聞く耳持たずで長い話を続けました。
少女は、両親に謎の声の事を相談しましたが、
両親は「頭の病気じゃないか?」と言い、
少女を精神病院に入院させました。
「アハハ、面白いや!精神病院って刑務所みたいだね!」
「ヒドイ…何でこんな事するの?」
「コレで君は精神病患者。誰もが君の事を見下すよ。
もう友達も出来ないし、結婚すら出来ない。
君はずーっと一人だよ。
あと、変な事したら、苦しくて痛い思いするからね」
少女は薄暗い病室の中、
謎の声と話すしかありませんでした。
少女の入院生活が10年続いたある日、
少女は一人に限界を感じ、
天国に向かいました。
「心の翼」
「明日、良い笑顔見せて」と願っても
叶う時、叶わない時がある。
叶う時は、最悪の事態を想定し、
叶わない時は、八方塞がりになる。
心の翼をもぎ取られ、
何も無い「無」の状態になっても、
再び翼は生えて来ていた。
それを何度か繰り返すうちに
羽根は絶望の色に染まり、
生えなくなって行った。
翼が無くなると、ただの人になり、
「人間になったんだ」と勘違いした。
人になったとしても、
何も無い「無」の存在。
歯車の一部になる存在。
助けを求める様に翼を求めた。
誰かが声を挙げる。
「再生を求めるな。現状を受け入れろ」
その人の言ってる事は
本当かは分からない。
「受け入れる」の先に道はあるか?
道を歩くのは自分自身。
道を突っ切って走って行ったら、
一回り大きな翼が生えた。
「普通の美少女」
美少女は、幼い時から周りから愛されて育ちました。
友達は、外見や能力や精神面でコンプレックスがあり、
友達だけで無くて、クラスメートや同級生、
校外の女子と言う女子は皆、悩みを抱えていましたが、
美少女だけは悩みは全くありませんでした。
むしろ、本人は悩みを持つ程、頭は悪くない…
と、思っていたのでしょう。
美少女は、周りの人間が自分の事をお姫様だと思い、
そう接してくれるので、多少悪さをしても
周りの人間は美少女に罪が被らないように
地位が最下位の人間に罪を被せていました。
美少女は自分が一番可愛いと思っていましたが、
ある日、美少女より可愛くて美しい完璧人間が現れます。
その完璧人間は、容姿だけでなく成績も良くて
性格も好かれる人間だった為、
美少女の周りの人間は、彼女をお姫様扱いし始めます。
遠くに住んでるとは言え、
この状況を面白く無いと思った美少女は、
完璧人間を陥れようと考えます。
美少女は、自分の人脈を駆使して、
完璧人間がよく来る場所を特定し、
その場所に行きました。
その場所とは、完璧人間が通っているスポーツクラブで、
完璧人間が更衣室に移動した時に、
美少女は、たまたま完璧人間を追っかけていた大学生に、
「その子はあっちに居るよ」
と、言いました。
美少女は人気の無い場所に向かうように
大学生達に言いました。
美少女は、その場に小学生の目撃者が居る事に気づき、
「大変ー!この子達が大学生に
あの子を襲う様に言いましたー!」
と、大声で言いました。
目撃者達は「自分じゃない」と次々に言いましたが、
美少女の下僕になっている周りの人間達は
美少女の言葉を鵜呑みにして、
目撃者達を悪者扱いし始めました。
目撃者達は、
村八分に遭って障害者になり、
イジメの被害に遭い続け、
個人情報を撒かれ続けました。
それから、美少女は周りから愛される地位を
取り戻しました。
美少女は、幸せな人生を謳歌していましたが、
高校生になったある日、
アルバイトから帰る途中で
乗っている自転車を何物かに倒されてしまいます。
美少女は、起き上がると突然やって来た男子高校生が
「大丈夫か?ココから逃げた方が良い」
と言い、美少女をアパートまで連れ去ります。
美少女はアパートの一室に連れて行かれると、
20人くらいの大人の男が居て、
美少女を裸にして強制性交をし始めました。
その後、美少女の顔にロウソクのロウを垂らし続け、
美少女の顔を真っ赤に膨れ上がらせて、
殴る蹴るを繰り返しました。
そして、美少女をベランダの外に出して、
裸踊りをさせました。
その間、1ヶ月。美少女は亡くなりました。
人々は美少女の墓を建てましたが、
墓は加害者の親達に壊されてしまいました。
「富の神の贈り物」
とある国の王様は、星空を見ていました。
すると、空が明るくなり、
大きな大きな流れ星が流れて、
遠くの山に落ちました。
王様は召使いを連れて、山に向かいました。
山に着くと、星が落ちた所が
まぶしく輝いていました。
王様達は、星が落ちた所に向かうと、
黄金に輝く神様が宙に浮いていました。
「そなたは何者ですか?」
王様は神様に聞きました。
神様は辛そうな顔をしていました。
「私は富の神です。天国から落ちてしまって、
足を挫いてしまいました」
「お安い御用。病院を手配するから安心したまえ」
王様は国で最も高度な医療技術がある病院を手配し、
富の神の怪我を治しました。
「ありがとうございます。痛みが治まりました。
何かお礼をしなければなりません」
富の神はそう言うと、2枚の紙を取り出しました。
「赤い紙はこの世で最も価値がある物質一つの注文書。
青い紙は生活を豊かにする
モノ作りのレシピ本全種類一冊ずつの注文書です。
どちらか好きな方をお選び下さい」
王様は、
「青い紙を頂こう。富は独り占めしてはならんからな」
と、富の神に言いました。
「確かに、注文は頂きました」
そう言うと、富の神は光り輝き、姿を消しました。
数日後、城には大量のレシピ本が贈られて来ました。
「それを我が国の国民に読ませよう」
王様は、全国民にレシピ本を配りました。
食べ物屋だったら、
料理を美味しく作るレシピ本、
農家だったら、
味が良くて、病気に強い作物を作るレシピ本、
工場だったら、
性能や精度の高い機械や家具や小物を作るレシピ本、
漁師だったら、
魚や貝などの海産物を大量に養殖するレシピ本、
大工だったら、
耐震性やデザイン性の高い建築物を建てるレシピ本…
すると、王様の国は世界一豊かになりました。
召使いは王様に聞きました。
「王様、何故青い紙を選ばれたのです?」
「赤い紙は儲けに限りがある。
青い紙だといくらでも作れば良いから
いくらでも儲ける事が出来るからな」