「富の神の贈り物」
とある国の王様は、星空を見ていました。
すると、空が明るくなり、
大きな大きな流れ星が流れて、
遠くの山に落ちました。
王様は召使いを連れて、山に向かいました。
山に着くと、星が落ちた所が
まぶしく輝いていました。
王様達は、星が落ちた所に向かうと、
黄金に輝く神様が宙に浮いていました。
「そなたは何者ですか?」
王様は神様に聞きました。
神様は辛そうな顔をしていました。
「私は富の神です。天国から落ちてしまって、
足を挫いてしまいました」
「お安い御用。病院を手配するから安心したまえ」
王様は国で最も高度な医療技術がある病院を手配し、
富の神の怪我を治しました。
「ありがとうございます。痛みが治まりました。
何かお礼をしなければなりません」
富の神はそう言うと、2枚の紙を取り出しました。
「赤い紙はこの世で最も価値がある物質一つの注文書。
青い紙は生活を豊かにする
モノ作りのレシピ本全種類一冊ずつの注文書です。
どちらか好きな方をお選び下さい」
王様は、
「青い紙を頂こう。富は独り占めしてはならんからな」
と、富の神に言いました。
「確かに、注文は頂きました」
そう言うと、富の神は光り輝き、姿を消しました。
数日後、城には大量のレシピ本が贈られて来ました。
「それを我が国の国民に読ませよう」
王様は、全国民にレシピ本を配りました。
食べ物屋だったら、
料理を美味しく作るレシピ本、
農家だったら、
味が良くて、病気に強い作物を作るレシピ本、
工場だったら、
性能や精度の高い機械や家具や小物を作るレシピ本、
漁師だったら、
魚や貝などの海産物を大量に養殖するレシピ本、
大工だったら、
耐震性やデザイン性の高い建築物を建てるレシピ本…
すると、王様の国は世界一豊かになりました。
召使いは王様に聞きました。
「王様、何故青い紙を選ばれたのです?」
「赤い紙は儲けに限りがある。
青い紙だといくらでも作れば良いから
いくらでも儲ける事が出来るからな」
12/3/2021, 5:08:33 AM