27(ツナ)

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3/9/2026, 11:34:01 AM

過ぎ去った日々

今日は卒業式だった。
結局僕は最後の最後まで君に告白することができなかった。
式が終わり、徐々にみんな帰っていく。
教室はガラガラになり、まるで役目を終えたかのように静まり返った。
僕はしばらく余韻に浸りながら、君のことを思い出していた。
1年生の頃に隣のクラスだった君に一目惚れして、少しずつ喋れるようになったけど、仲良くなれたのが嬉しくて、"好き"という気持ちをずっと隠していた。

そろそろ帰ろうと昇降口に向かうと、君がいた。
なんて声かけようか迷って立ち止まっていると、
「よっ!お互い卒業おめでとう。」
君の方から気さくに声をかけてくれた。
「おっ!おめでとう。」
「あね、嫌じゃなかったら、ツーショ撮ろうよ!記念に!後で写真送るから。ね?」
「え!?あ、も、もちろん。」
写真を撮り慣れている君は色んなポーズと表情をする。
対して僕はピースしかできないし、表情も固くなってしまう。
「あはははっ!顔固っ。でもまー、らしくて好き、かな。はははっ。」
不意の好きという言葉に戸惑ってしまう。
きっとあの時、君に好きだと伝えられたら、何か変わったのだろうか。

「…じゃ、明日からはあんま会えなくなるけど、絶対連絡してね。友達になれて良かったよ。バイバイ。またね!」
咄嗟に僕は君の腕を掴んでしまった。
「あ、あの。……あ、ぃや。えっと。僕も君…と友達になれて良かった。…ありがとう。」
現実はそう上手くいかないな。
あっという間に過ぎ去った日々、そんなあっという間の時間の中で君に出会えて、好きになって、
僕にとっては最高に幸せな日々だった。
だから、最後に"ありがとう"を伝えられてよかった。

3/8/2026, 11:54:51 AM

お金より大事なもの

お金を持ちすぎると、反して心が減っていく。
お金さえあれば幸せだと思っていたこともあった。
お金は色んな欲を満たしてくれた、けれど、小さな幸せや心の余裕、愛情を満たしてはくれることはなかった。
お金を持てば持つほど『幸せ』のハードルが上がっていくのを感じた。
昔は、お金より大事なものなんて無いと思っていたけど、人生を長く生きていくうちに、それよりも大事なものが沢山できた。

3/7/2026, 10:57:45 AM

月夜

ある月夜の晩。
目が覚めた。
外に気配を感じる。
おそるおそる窓から目を凝らす。
対岸の雑木林の中に何かがいる。
突風が吹き、雲に隠れて欠けていた大きな満月が顕になる。
月夜が映し出したのは林の中に佇む、
1匹の真っ白い狼だった。
気高く美しいその姿に目と心が奪われた。

3/6/2026, 10:41:22 AM



「私たちは前世から続く強い絆で結ばれてるんだよ!」
私の手を両手で包み込んでキラキラした笑顔で彼女はそう言う。
その時の私は嬉しかった、今まで友達なんてできなかったから、彼女が私を唯一無二だと言ってくれたから。

けど、だんだんその絆が煩わしくなっていった。
彼女は常に私と行動を共にするようになり、
私の持ち物をまるで自分の物のように使い、
私と全く同じ格好、話し方、仕草をするようになっていった。
気味が悪い。
いつしか、彼女の言う"絆"は私にとって足枷のようになった。

私は彼女がよく使う"絆"という言葉が気がかりで調べてみると、絆の語源には『逃げないように縛り付けるという意味合いがある』らしい。
「…そういう事か。」
「あれっ?バレちゃったか。でも、絆はほんとだもん。いつか私たちはふたりで1つの存在になるの。…大好きだよ。」
彼女はいつの間にか後ろに居て、出会った時のように両手で私の手をぎゅっと包み込んだ。
私は恐怖のあまり、彼女を思い切り突き飛ばして逃げるように部屋から出た。
その瞬間、ゴッと鈍い嫌な音がした。

3/5/2026, 10:31:53 AM

たまには

毎日、家事に育児に立派にこなしてくれてありがとう。 たまには、自分のために時間を使ってね。

毎日、家族のために朝から晩まで働いてくれてありがとう。たまには、仕事を休んでゆっくりしてね。

毎日、ちゃんと学校に行って勉強に部活にお疲れ様。 たまには、息抜きに遠出でもしようか。

大変な毎日に『たまには』という魔法を。
そうすれば辛い毎日が、忙しいけれど楽しい、疲れるけれど面白い。
きっとそんな毎日に変わるかもしれない。

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