絆
「私たちは前世から続く強い絆で結ばれてるんだよ!」
私の手を両手で包み込んでキラキラした笑顔で彼女はそう言う。
その時の私は嬉しかった、今まで友達なんてできなかったから、彼女が私を唯一無二だと言ってくれたから。
けど、だんだんその絆が煩わしくなっていった。
彼女は常に私と行動を共にするようになり、
私の持ち物をまるで自分の物のように使い、
私と全く同じ格好、話し方、仕草をするようになっていった。
気味が悪い。
いつしか、彼女の言う"絆"は私にとって足枷のようになった。
私は彼女がよく使う"絆"という言葉が気がかりで調べてみると、絆の語源には『逃げないように縛り付けるという意味合いがある』らしい。
「…そういう事か。」
「あれっ?バレちゃったか。でも、絆はほんとだもん。いつか私たちはふたりで1つの存在になるの。…大好きだよ。」
彼女はいつの間にか後ろに居て、出会った時のように両手で私の手をぎゅっと包み込んだ。
私は恐怖のあまり、彼女を思い切り突き飛ばして逃げるように部屋から出た。
その瞬間、ゴッと鈍い嫌な音がした。
3/6/2026, 10:41:22 AM