過ぎ去った日々
今日は卒業式だった。
結局僕は最後の最後まで君に告白することができなかった。
式が終わり、徐々にみんな帰っていく。
教室はガラガラになり、まるで役目を終えたかのように静まり返った。
僕はしばらく余韻に浸りながら、君のことを思い出していた。
1年生の頃に隣のクラスだった君に一目惚れして、少しずつ喋れるようになったけど、仲良くなれたのが嬉しくて、"好き"という気持ちをずっと隠していた。
そろそろ帰ろうと昇降口に向かうと、君がいた。
なんて声かけようか迷って立ち止まっていると、
「よっ!お互い卒業おめでとう。」
君の方から気さくに声をかけてくれた。
「おっ!おめでとう。」
「あね、嫌じゃなかったら、ツーショ撮ろうよ!記念に!後で写真送るから。ね?」
「え!?あ、も、もちろん。」
写真を撮り慣れている君は色んなポーズと表情をする。
対して僕はピースしかできないし、表情も固くなってしまう。
「あはははっ!顔固っ。でもまー、らしくて好き、かな。はははっ。」
不意の好きという言葉に戸惑ってしまう。
きっとあの時、君に好きだと伝えられたら、何か変わったのだろうか。
「…じゃ、明日からはあんま会えなくなるけど、絶対連絡してね。友達になれて良かったよ。バイバイ。またね!」
咄嗟に僕は君の腕を掴んでしまった。
「あ、あの。……あ、ぃや。えっと。僕も君…と友達になれて良かった。…ありがとう。」
現実はそう上手くいかないな。
あっという間に過ぎ去った日々、そんなあっという間の時間の中で君に出会えて、好きになって、
僕にとっては最高に幸せな日々だった。
だから、最後に"ありがとう"を伝えられてよかった。
3/9/2026, 11:34:01 AM