終わらない夏
夏の魔性。
夏だけは毎年待ち遠しくて、終わってしまうとものすごく寂しく感じる。
夏は魔性の季節だ。
暑さで人を惑わせて、あの世へ行ってしまうヒトも多い。
川で溺れた親戚の弟がいる。
きっと彼も夏の魔性に当てられて、死の世界へと誘われた。
毎年夏はやってくる。魔性の夏が。
終わらない夏が。
遠くの空へ
僕が幼い頃に母は体を悪くして亡くなった。
当時の僕はまだ言葉を覚えたてで、状況を理解することができなかった。
父は男手ひとつでそんな僕を育ててくれた。
公園で遊んでいた時、周りはみんな母親と来ていたり両親と遊んでいるのを見て不思議に思った。
「パパ〜、ママは?」
それは悪意のない純粋な言葉だった。
父は慎重に言葉を選んで僕に伝えた。
「ママは…遠〜くのお空に居るんだよ。でも、お空から僕たちを見守ってくれてるんだ。」
「なんで僕たちを置いていっちゃったの?」
「パパや君もそうだけど、僕たちはもともと遠いお空からやって来たんだ。ママはどうしても帰らなくちゃならなくなったんだよ。」
父はなんとかなだめようと優しく話してくれた。
「でも、僕はママがいなくて寂しいよ…。お迎え行く!」
そう言って僕は空に近づくためにひたすら走ったが、石につまづいて転んでしまった。
「…うっうわあああん!わあああ!」
気づいた父がすぐに駆けつけて僕を抱きしめた。
「…ごめん。ごめんな。」
抱きしめられた僕の肩口が父の涙で濡れて、ようやく母にはもう二度と会えないのだと自覚した。
!マークじゃ足りない感情
「人の感情ってさ、ある一定のキャパ超えると無くなるよね?エクスクラメーションマークすら出ない。」
暑さしのぎに入ったカラオケの一室で歌も歌わず友達とダラダラ駄弁っていた。
「急になに?エクス?なに?…一定のキャパってなに?感情無くなったことあんの?」
「…ある。」
「えー、まじか。何があったのさ?」
クーラーの風に当たり続けて頭がボーっとして来る。
「寝てる時にな顔になんか落ちてきたの。んで、電気つけて、顔を手で払ったらボトって落ちたんよ。」
「え…な、何が?」
友達のあまりに真に迫った様子に眠気が覚めて、ゴクリと唾を飲む。
「……ゴキブリが。」
「──。」
ホントだ。感情のキャパ超えると人って無になるんだ。
君が見た景色
君は霊が視えると言った。
そんなの嘘だと言うと君はただ悲しい顔をした。
君のことは好きだったけれど、君の言うことが信じられなくて辛かった。
僕は転んで怪我をして角膜を損傷してしまった。
視力が回復する兆しはなく、角膜の移植手術をすることになった。
ドナーが見つからなかったなか、近所に住む君が話を聞きつけてドナーになると言ってくれた。
手術は無事成功した。いよいよ包帯を摂る事になり、久しぶりに外の景色を見た。
今まで見えなかったモノが視えるようになった。
「これが、君が見ていた景色か。」
その時、僕はやっと君と視界を共有できたようで嬉しかった。
言葉にならないもの
『書く習慣』を初めてそろそろ半年になります。
いつも短編の訳の分からない自己満足物語をいろいろ書いてきました。
初めて自分自身の気持ちと言いますか、日常のつぶやきと言いますか、そんなものを書きます笑
『タコピーの原罪』というアニメを見ていました。
絵が可愛らしくて何気なく見ていたらあまりにも重い内容で、1話目後半で既に目から大量の涙が辛いのに面白くて結局最後まで見ました。
「辛い、苦しい、可哀想。」そんな思いが限界まで来て抑えきれなくてただひたすら嗚咽していました。目から涙が止まらなくてでも声は出せなくて。
心の底から悲しい、辛い時って声が出なくなるんだな、言葉にできないんだなって実感しました。
毎日、自分の稚拙な文を読んで"♡"を頂いた時も言葉にならない喜びに打ち震えてます。笑
結論、いつも読んでくださってありがとうございます!(^^)