27(ツナ)

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君が見た景色

君は霊が視えると言った。
そんなの嘘だと言うと君はただ悲しい顔をした。
君のことは好きだったけれど、君の言うことが信じられなくて辛かった。

僕は転んで怪我をして角膜を損傷してしまった。
視力が回復する兆しはなく、角膜の移植手術をすることになった。
ドナーが見つからなかったなか、近所に住む君が話を聞きつけてドナーになると言ってくれた。

手術は無事成功した。いよいよ包帯を摂る事になり、久しぶりに外の景色を見た。
今まで見えなかったモノが視えるようになった。
「これが、君が見ていた景色か。」
その時、僕はやっと君と視界を共有できたようで嬉しかった。

8/14/2025, 10:51:07 AM